映画board

『カムバック・トゥ・ハリウッド』レビュー:これはもしや終活?平均年齢78歳の役者の奮闘と監督の夢の実現

監督自身が人生のクライマックスを迎えちゃった夢の映画

© 2020 The Comeback Trail, LLC All rights Reserved

 先に述べた「ヤクザなモーガン・フリーマンに金を借りた貧乏映画製作者ロバート・デ・ニーロが、老齢俳優トミー・リー・ジョーンズに保険金をかけ事故に見せかけて殺そうと奮闘する!」というプロットはTwitterでもバズっていたのでご存知の方も多いだろう。豪華な老齢俳優たちが募って、もはや彼らの手クセともいえるお芝居をたっぷり楽しめるコメディだ。平均年齢78歳。監督はジョージ・ギャロ。デ・ニーロ主演のアクション・コメディ『ミッドナイト・ラン』(1988)、ウィル・スミス主演の『バッド・ボーイズ』(1995)の脚本を担当したことで名を知られている。彼の本業は画家。そのスタイルはペンシルベニア印象派を受け継いだもので、その腕前はArts for The Parks Awardを受賞するほどであった。
 そんなギャロが映画界に足を踏み入れるきっかけとなったのが、本作のオリジナル作品となる『The Comeback Trail』(1982)だった。学生時代に彼が観たのは未完のラフカットだったそうだが「多額の保険金をかけた俳優を殺す」というアイディアに魅せられてしまった。そして彼は「このプロットで自分の映画を作りたい」という夢を持つことになったのだ。
 『ミッドナイト・ラン』の成功で、映画界でそれなりの地位についたものの、オリジナル『The Comeback Trail』の再映画化権は誰が持っているのか分からない状態。権利がなければ、制作のスタートラインにすら立てないのだ。ところが『ミッドナイト・ラン』の上映会で出会ったのがオリジナル『The Comeback Trail』の監督ハリー・ハーウィッツの奥さんだった。実は『The Comeback Trail』の権利は彼女が持っていたのだ。(そんなにアッサリ見つかるのだから、ギャロがなんとなく話を盛っているような気がするが、ドラマティックなのでそういうことにしておこう。)資金繰りに苦労しながら、30年の時を経てようやく作られたのが、『カムバック・トゥ・ハリウッド』なのだ。
「一流の演技を見せ、すべてに生命が吹き込まれるのを眺めることは私の人生のクライマックスだった。」
監督、ジョージ・ギャロはこう語る。監督がクライマックスを迎えちゃってるんだから、夢の一本なのである。

(PR)夏休み目前!親子で大満足の恐竜映画『ディノ・キング 恐竜王国と炎の山の冒険』がおすすめ
次のページ : これでいいのか!?いいんだよ!大御所俳優達の終活コメディ

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

投稿がありません。

この記事の画像  5枚

Writer info

氏家 譲寿(ナマニク)

文筆家。映画評論家。日本未公開映画墓掘人。ホラー映画評論ZINE「Filthy」発行人。ホ...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

ますかた一真の映画 星占い - 今週の運勢

Review最新のレビュー

Comment記事へのコメント

Ranking動員数ランキング

2021/7/19 更新

映画動員数ランキングへ

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

好きな映画のジャンルは?

好きな映画のジャンルは?
SF
アクション
クライムサスペンス
コメディ
青春
ドキュメンタリー
ヒューマンドラマ
ファンタジー
ホラー
ミステリー
ミュージカル
ラブロマンス
戦争
歴史
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

Presentプレゼント

ご応募はこちら

Popular Tags人気のタグ

洋画 邦画 おすすめ映画まとめ ドラマ アクション スパイダーマン:ホームカミング ミステリー・サスペンス マーベル かわいい ホラー

Pick Upピックアップ