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『着飾る恋には理由があって』第1話、横浜流星&川口春奈の“見る”“みられる”関係性が生むドラマ

■“見る”ことと“見られる”こと

(C)TBS

犬の散歩途中、くるみはまたからかわれると思いながらも駿に社長とのことを相談する。しかし駿は意外にもこう言い放つ。「携帯の中に答えないね。桜の木の下でその人をよく見てさ、決めればいいんじゃない?」と。真っ当な言葉である。インフルエンサーであるくるみがSNSを更新すれば、多くのフォロワーが注目し、数え切れないコメントを寄せてはくる。その意味でくるみは徹底的に“見られる”側の存在であり、“見る”側の存在ではない。しかしその見るという行為の主体性がいかに大切なことであるのかと駿はここで問いかけようとしている。人は見られることよりも自ら見ることによって大切なことに気付かされるものだからである。

路面店出店当日、社員一丸となって客たちを迎え入れるが、社長である祥吾の姿が見当たらない。実は祥吾が昨晩取締役会で社長を退任したことを知り、くるみは衝撃を受ける。そんな事情を知る由もない客たちがくるみを取り囲み写真を求め、事情を知る香子や同僚たちは心配するように彼女を見つめる。ここでも彼女は見られる存在としてある。では、彼女は何を見ていなかったか。それは、物理的な何かというよりも、自分ではない相手の心である。確かに、祥吾というカリスマ的存在に昔から憧れて入社したくるみは、これまで祥吾に尽くしてはきた。しかし路面店出店前日に祥吾に呼び止められたくるみは、彼が覗かせようとした心の奥を見つめることが出来なかった。事実、路面店から帰社するくるみが祥吾の隠れ家に彼の姿を見つけられず、ひとり寂しく傷心のまま今年初めてみた桜の木が、あってないような朦朧とした光景でしか目には映らない。くるみがはっきりと自分の目でみているのは、SNSを更新し、チェックするためのスマホの小さな画面でしかないのだ。そこに愛があるのかと聞かれたら、駿に限らず当然誰もがないと答えるに違いない。

人が誰か相手と愛を確かめ合えるのは、見ることと見られることの相互の交換と繰り返しであると、筆者は思う。涙の夜、駿にお裾分けしてもらったカレーを頬張るくるみ。悲しみが明け、気持ちを新たに出社すると前から犬を連れた駿が歩いてくるのが見える。見られることだけでなく、見ることを知った彼女は、同じ屋根の下で暮し始めた彼特有の表情に心動かされるのだった。

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バンビーノ(加賀谷健)

プロデュース業、時々映画ライター。BANGER!!!、リアルサウンド映画部、FILMAGA、他メ...

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