映画board

【日本特撮映画の古典】宇宙人!天体衝突!『スター・ウォーズ』より前に宇宙を題材にした名作5選

『スター・ウォーズ』前に宇宙」を扱った日本のSF特撮映画名作5選(3)

◎妖星ゴラス(1962年 東宝)

『妖星ゴラス』DVD(販売元 : 東宝)

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/91HhVnj4ruL._SX300_.jpg

1980年代。大きさは地球の4分の3だが質量は6000倍という黒色矮星「ゴラス」が発見され、最も近くを航行していた日本の宇宙艇「隼号」は観測データを地球に送るものの、ゴラスの引力に掴まり遭難してしまう。ゴラスが地球に激突するコースを進んでいることが判明し、ゴラスの爆破も不可能という結論に達したため、日本の田沢博士(池部良)らの提案により、南極大陸に巨大なジェットエンジンを設置して地球を移動させるという壮大な計画が実行に移されることになった。地球の軌道を変えたことで、天変地異や巨大怪獣の出現などさまざまな異変が発生する中、地球はゴラスから逃げるための大移動を続けるが…。

『地球最後の日』や後の『アルマゲドン』(1998)など、SF映画の定番の一つである天体衝突ものの一本だが、相手の天体を爆破するのが定番のこのジャンルにおいては、他に例がない方法で危機を脱する。まさに「宇宙船地球号」を絵にしたような奇想天外なアイデアで、下手をすれば「子供の発想」という批判も出そうだが、当時は東京大学理学部の助教授で天体力学の世界的権威である堀源一郎に科学的考証を依頼するなど、真摯な姿勢で製作された。「サイエンス・フィクション」という言葉の本質に従ったわけだ。
円谷の特撮チームもまさに脂が乗り切ったという表現がふさわしい絶好調ぶりで、宇宙SF、怪獣、天変地異のスペクタクル…と、彼らが手がけてきた特撮の題材のほとんどが詰め込まれた、集大成的充実度を示した。宇宙空間における引力の視覚的表現、南極のジェットパイプのシーンの壮大かつ芸の細かいミニチュアワーク、怪獣との攻防戦、各地を襲う大洪水、荒川(一説には利根川)に実際にミニチュアを沈めて撮影されたラストシーン…と、見せ場の豊富さと完成度の高さでは東宝特撮映画の中でも屈指の作品だ。

◎ガンマー第3号 宇宙大作戦(1968年 東映=ラム・フィルム(アメリカ))

『ガンマー第3号 宇宙大作戦』DVD(販売元 : 東映)

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/814+il4FysL._SX300_.jpg

質量600万トンの二等遊星「フローラ」が地球に衝突するコースを進んでいることが判明し、国連の宇宙ステーション「ガンマ―3号」から爆破隊がフローラへ向かう。爆破は成功したが、作業の際に隊員の服に付着した粘液状の生命体が、宇宙船の電気エネルギーを吸収して吸血怪物と化し、ガンマー3号の中で増殖し始める。逃げ場のないステーションの中で、怪物たちと乗組員たちの果てしない死闘が展開する…。

東映が『海底大戦争』(1966)に続いてアメリカの製作プロダクションであるラム・フィルムと提携して製作した日米合作映画で、アメリカの大手映画会社MGMも製作に加わっている。監督の深作欣二以下スタッフは全員日本人、ハリウッドから招かれた主演の3人の他は日本在住の外国人で固められたオール外国人キャストという不思議な作り。脱出不可能な宇宙船の中での怪物との戦いということで、第1作目の『エイリアン』(1979)の原点と評価する人も多い。また、深作のトレードマークとも言える手持ちカメラを多用した臨場感あふれる戦闘シーンは、後の『仁義なき戦い』(1973)なども連想させる。
クエンティン・タランティーノも本作の大ファンであることは有名で、深作に会った時に本作について熱く語り深作を苦笑させたという。

海外の作品ですら当時はまだやったことがなかった題材や描写に、言わば“手作り”に近いアナログ特撮で挑戦した、かつての日本の映画人たち。技術だけでなくその熱意も海外の映画ファンや映画人を感動させ、今日でもなおリスペクトされ続ける作品になっているのだ。

【2021年以降】実写化が予定されているディズニー映画21作品まとめ

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

杉山すぴ豊

2021/03/27 20:13

すぴ豊です。
僕は選ばれた人だけ助かる『地球最後の日』より、みんなで乗り切ろうとする『妖星ゴラス』の方が素晴らしい、と思いました。あと『宇宙人東京に現る』はもしかするとバズるかもしれません(笑) ヒント・・『ザ・スーサイド・スクワッド』

1いいね

違反申告

上妻 祥浩

2021/03/28 11:28

コメントありがとうございます!
あ、なるほど!楽しみにしておきます(笑)。
そうなんですよ、私も『ゴラス』は究極の理想論だけど、その心構えは必要なんじゃないかと。特に昨年からのコロナ禍でそう思いました。今の世の中に必要なのは『ゴラス』の精神だと思います!(ちょっと論点がズレたかも知れませんが)

0いいね

違反申告


この記事の画像  6枚

Writer info

上妻 祥浩

熊本県出身・在住。地元の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で新作映画の解説の仕事を行な...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

ますかた一真の映画 星占い - 今週の運勢

Review最新のレビュー

ユキノナーニー

2021/04/03 19:53

私はイマイチ!

3

「あのこは貴族」

2021/03/26 05:32

4

「アウトポスト」

清水久美子 Kumiko Shimizu

2021/03/11 23:12

女性同士で争う必要はない

5

「あのこは貴族」

Comment記事へのコメント

Ranking動員数ランキング

2021/4/5 更新

映画動員数ランキングへ

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

好きな映画のジャンルは?

好きな映画のジャンルは?
SF
アクション
クライムサスペンス
コメディ
青春
ドキュメンタリー
ヒューマンドラマ
ファンタジー
ホラー
ミステリー
ミュージカル
ラブロマンス
戦争
歴史
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

Popular Tags人気のタグ

洋画 おすすめ映画まとめ セクシー ミステリー・サスペンス アメコミ 邦画 マーベル ドラマ アクション きれい

Pick Upピックアップ