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【日本特撮映画の古典】宇宙人!天体衝突!『スター・ウォーズ』より前に宇宙を題材にした名作5選

『スター・ウォーズ』前に宇宙」を扱った日本のSF特撮映画名作5選(2)

◎地球防衛軍(1957年 東宝)

『地球防衛軍』DVD(販売元 : 東宝)

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富士山麓で怪現象が続発、地中から巨大なロボットが出現して破壊活動を行なう。そして、地中から巨大なドームが出現し、調査に来ていた安達博士(志村喬)ら科学者たちが招き入れられる。ドームの主はミステリアンと名乗る遊星人で、5千年前に故郷の星を核戦争で失った彼らは放浪の旅の末に地球に到着、半径3kmの土地と地球人の女性と結婚する自由を求めた。攻撃してきた自衛隊をあっけなく全滅させたミステリアンは次第に要求をエスカレートさせ、侵略の意図を露わにする。これを地球全体の危機と判断した世界各国は一致協力して地球防衛軍を結成、最新科学を駆使して超兵器を開発し、ミステリアンとの全面戦争に挑むが…。

『宇宙人東京に現わる』に対して、本作は『宇宙戦争』と同系列の侵略宇宙人もの。しかし、宇宙人との全面戦争を描いた作品は、恐らく本作が世界初だ。少年雑誌のイラストなどで有名な小松崎茂がデザインした超兵器の数々が画面狭しと続々と登場して戦いを繰り広げるさまは、当時は洋画にも見られなかった派手な見せ場であり、円谷英二率いる東宝特撮チームの面目躍如。監督の本多猪四郎以下『ゴジラ』のメイン・スタッフやキャストの大半がそのまま参加していて、特に伊福部昭作曲のマーチは戦闘シーンのテンションを盛り上げる。
しかし一方で、ミステリアンを地球人の将来の姿になぞらえるなど、反核のメッセージもしっかり込められていて、これもやはり1作目『ゴジラ』からのブレない方向性だ。
ミステリアンの統領に扮した土屋嘉男は、ヘルメットでまったく素顔が出ないにもかかわらずこの役を演じることを熱望、抑揚のない喋り方で「らしさ」を見事に表現したが、これは今でも世間一般の人がよくやる「ワレワレハウチュウジンダ」という喋り方の先駆けとも言われている。これが好評だったため、土屋はその後も宇宙人や宇宙人に操られる地球人の役をたびたびえんじることになる。

◎宇宙大戦争(1959年 東宝)

『宇宙大戦争』DVD(販売元 : 東宝)

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1965年、宇宙ステーションが何者かの攻撃を受けたのを皮切りに、世界各地で謎の大規模な破壊活動が続発した。地球侵略を企む遊星人ナタールが、物体を超低温状態にして無重力化して(※本作が製作された頃に信じられていた理論に基づく)起こしていた事件だった。ナタールの前線基地が月の裏側にあることを突き止めた地球人類は、月に決死隊を送り込んで先制攻撃をかけるが…。

同じ名前の人物が多数登場したり(演者はほとんど別の俳優)、ナタールの円盤の形状がミステリアンのものとそっくりだったりと、『地球防衛軍』との関連性を強くして製作されている。しかし、今回はついに舞台が宇宙空間にまで広がり格段にスケールアップしたこともあり、円谷特撮も見せ場が豊富だ。『スター・ウォーズ』より20年近く前に描かれた宇宙空間での円盤群と戦闘ロケット隊が入り乱れての戦闘は、CGのないピアノ線による“釣り”のアナログ特撮としては圧巻の出来。また、冷却線によってビルが破壊されながら舞い上がるシーンは、ミニチュアの下から圧搾空気を出して破片が浮遊する感じを表現したという。また、特撮ではないが、決死隊が月面を徒歩で前進するシーンは、伊豆大島の三原山の溶岩地帯で撮影された。
クライマックスでは、伊福部昭の数々のマーチ曲のメロディがメドレーのような形で演奏される『宇宙大戦争マーチ』が延々と流れて盛り上げるが、この曲は『シン・ゴジラ』(2016)のクライマックスの「ヤシオリ作戦」のシーンでも使われ、ファンを熱狂させた。

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杉山すぴ豊

2021/03/27 20:13

すぴ豊です。
僕は選ばれた人だけ助かる『地球最後の日』より、みんなで乗り切ろうとする『妖星ゴラス』の方が素晴らしい、と思いました。あと『宇宙人東京に現る』はもしかするとバズるかもしれません(笑) ヒント・・『ザ・スーサイド・スクワッド』

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上妻 祥浩

2021/03/28 11:28

コメントありがとうございます!
あ、なるほど!楽しみにしておきます(笑)。
そうなんですよ、私も『ゴラス』は究極の理想論だけど、その心構えは必要なんじゃないかと。特に昨年からのコロナ禍でそう思いました。今の世の中に必要なのは『ゴラス』の精神だと思います!(ちょっと論点がズレたかも知れませんが)

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上妻 祥浩

熊本県出身・在住。地元の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で新作映画の解説の仕事を行な...

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