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映画『ミナリ』韓国からアメリカに移民してきた一家の物語 ネタバレ少しありの感想

リー・アイザック・チョン監督の半自伝的物語

ほぼ全編で韓国語が使用されているにも関わらず、第93回アカデミー賞で6部門にノミネートされた『ミナリ』は、韓国系アメリカ人の監督リー・アイザック・チョンの半自伝的物語だ。1980年代のアメリカ、アーカンソー州が舞台。2歳の頃にアーカンソーに引っ越したチョン監督の子供時代の経験が映画の中に反映されている。

農地開拓に情熱を燃やす父と家族の物語

ジェイコブ(スティーヴン・ユァン)は、一家の長として、「家族にもっといい暮らしをさせたい」という夢がある。韓国系の移住者に野菜を販売するビジネスを始動させるために、カリフォルニアからアーカンソーに移住し、農地を開拓しようとしている。

母親のモニカ(ハン・イェリ)は、引越し先が僻地だとは知らされておらず、戸惑いを隠せない。病院も1時間かかるし、隣家もなく、家はトレーラーハウスだ。土地を開墾するので出費もかさみ、「せっかく貯めたお金を、家族のためじゃなく、農場に使っている」と、フラストレーションは溜まっていく。モニカも母親として、家族を守ろうとしているのだ。

子どもたちは、車輪のついた家に喜び、広々とした草原を駆け回れて楽しそうだが、お金の問題で両親の口論が多くなり心を痛める。父と母が言い争う姿を目撃したら、『Don’t fight! 』と叫びたくなるのは、どの国の子供も同じだ。   

PARK CITY, UT - JANUARY 26: Noel Kate cho, Isaac Chung, Han Ye-ri, Steven Yeun, and Yuh-Jung Youn from Minari pose for a portrait at the Pizza Hut Lounge on January 26, 2020 in Park City, Utah. (Photo by Emily Assiran/Getty Images for Pizza Hut)

移民の国アメリカでの「挑戦」を描く

他国に移民する人たちの共通の思いとは、「新たな生活を作っていく」という希望に違いない。育った環境とは全く違う生活に飛び込み、ゼロからリスタートする「挑戦」でもある。

『ミナリ』は、韓国で生まれた夫婦が、アメリカに移民する物語なのだが、最初に移住したカリフォルニアから、さらにアーカンソーに引っ越すという決断をしているところが興味深い。カリフォルニアでは韓国コミュニティもあり、お互いに手助けもできる環境であったろうにそれを捨てて、知り合いのいない土地で新生活をスタートさせるところから映画が始まる。

アメリカに移民して、「韓国人だからこんなふうに苦労した」という民族的な視点にこだわる映画ではないところに、共感ポイントがあった。移住する決断をした家族が、新天地で居場所を作っていこうとする「挑戦」を描く映画になっているのだ。だからこそ、移民の国であるアメリカで「これは移民家族の物語で、非常にアメリカ的なストーリーだ。」と評価された。 

Arkansas fall landscape, Petit Jean state park

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峯丸ともか

映画&海外ドラマライター。映画の感想や良いところを分かりやすくレビューできればう...

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ひろぴ

2021/09/15 14:56

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