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【新作レビュー】『レンブラントは誰の手に』ロッテントマト90点を叩き出したサスペンスフルドキュメント

画家レンブラントを扱ったドキュメンタリーだけど・・・

©2019 DiscoursFilm

今回紹介するのは画家レンブラントを扱ったドキュメンタリーである。
普段ホラー映画ばかり見ている、ぼくがレビューするといっても、呪われたり、悪魔化したレンブラント作品を巡って人が争いになり木っ端微塵になったり、ゾンビ化したレンブラントが”夜警”をしたりはしない。れっきとした美術系ドキュメンタリーである。登場する公爵や男爵、美術品は全て本物。もちろん、美術好きのぼくの妻の趣味に合わせた映画をレビューして喜んでもらおう、というわけではない。
妻の美術館めぐりに付き合ううちに得られた映画的考察も多く、最近では自ら足を運ぶようにしている。本作を見る機会を得てこうしたテーマも書いてみたいと思ったのである。ただ、絵画全般については素人の聞き齧り程度の知識しかないので間違ったことがあったらどうぞ気軽にご教示いただきたい。
 この映画に登場する作品はどれも国宝級のレンブラントの名作である。それを大きな画面で見られるのもポイントが高い。加えてヨーロッパの有名作が美術館にくることも少なく、美術館に足を運びにくいこのご時世、美術好きにはたまらない映画となっている。
 この種のドキュメンタリーは間延びしたオチのない映像のつながりに感じることが多い。しかし、監督のウケ・ホーヘンダイクはこの映画を「”アート・スリラー”として作りたかった」と語る。事実はときにフィクションより奇なり、だ。美術品をめぐる人々の欲望に満ちた駆け引きはスリリングでサスペンスフルである。

ミケランジェロ・プロジェクト

ミケランジェロ・プロジェクト

2013年/アメリカ/118分

作品情報 / レビューはこちら

美術品を扱ったサスペンス映画というと「ミケランジェロ・プロジェクト」(2014)が思い浮かぶ。こちらはフィクション映画だが、事実に近づけようとした結果、ドキュメンタリーでもなく、フィクションでもないどっちづかずに微妙な作品となってしまった。
 一方、ホーヘンダイク監督は徹底的に事実を撮影、とことんドラマチックになるような編集で仕上げることができる腕を持っている。その手腕は「ようこそアムステルダム国立美術館へ」「みんなのアムステルダム国立美術館へ」で美術館の修復工事が予想外の議論にもつれ込み全く進まない、というドタバタ顛末をユーモアまじりの作品を見ればわかるとおりだ。本作もまた、芸術とビジネス、さらには国家事情まで含んだ政治的に少々センシティブな内容を扱い、ハラハラする展開が待ち構えている。難を言えば、登場人物が上品な老人男性ばかりがで、誰が誰だか判別がつかなくなることであることだ。しかし、このレビューを読んでおけば心配いらないぞ!

みんなのアムステルダム国立美術館へ

みんなのアムステルダム国立美術館へ

2014年/オランダ/90分

作品情報 / レビューはこちら
ようこそ、アムステルダム国立美術館へ

ようこそ、アムステルダム国立美術館へ

2008年/オランダ/117分

作品情報 / レビューはこちら
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氏家 譲寿(ナマニク)

文筆家。映画評論家。ホラー映画評論ZINE「Filthy」発行人。ホラーブログ「ナマニクさ...

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