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菅田将暉と有村架純が生活感をもってリアルに日常を演じたと『花束みたいな恋をした』土井裕泰監督が語る

日常を見つめることでそこにあるドラマを拾っていく

――監督をお引き受けになったきっかけは?

プロデューサーの孫家邦さんと脚本家の坂元裕二さんから「菅田将暉くんと有村架純さんでラブストーリーをやりたい」とお話をいただいたのが2018年の春でした。「カルテット」の翌年です。孫さんが何年も前から坂元さんに「映画をやろう」と声を掛けていたそうです。
話を聞いた瞬間に、一も二もなくやりたいと思いましたね。有村さんとは『映画 ビリギャル』をやりましたし、菅田くんとも実は10年くらい前に『麒麟の翼 劇場版・新参者』でご一緒していました。2人のその後の素晴らしい活躍ぶりを見ていて、ぜひともまた彼らと仕事をしたいと思っていましたし、何より「カルテット」は僕のキャリアの中で大きな意味を持つ作品でしたから、また坂元さんと仕事できる喜びも大きかったです。

―― 脚本を読んだ感想は?

連続ドラマでもそうですが、坂元さんの初稿はとても長いんです。今回も最初に3時間半くらいの分量のものが届きました。坂元さんが20代のラブストーリーを今どういうスタンスで書くのか、僕自身もすごく興味があったんですが、「なるほど、こういう風にきたのか」と思いました。大きな枷やドラマチックなことがあるわけではなく、日常を見つめることでそこにあるドラマを拾っていく。間違いなく僕の好きなタッチで心が弾みましたが、それと同時に難しさも感じました。

©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

――最近のドラマは何か障害ありきのところがありますよね。フックになるものがないと演出が難しかったのではありませんか。

菅田くんと有村さんは人気も実力もある俳優ですが、私たちと同じような生活感をちゃんと持っている人たち。それはよくわかっていたので、「こういう役だからこうして」というような話は特にしていません。今回は映画の主人公とはいえ、主人公らしくない、本当にその辺にいるような2人です。そのことは2人も分かっていたと思います。思ったこと、感じたことをそのまま生々しく、一つ一つの場面を嘘がないように演じてもらって、それを積み重ねていくことが大事。僕はニュートラルな立場で、ただただふたりを見つめていればいいと腹をくくりました。

――現場での2人はいかがでしたか。

とにかく2人はずっと一緒にいましたね。待ち時間も含めて撮影している間はすべての時間を共有することを心掛けていたようです。僕はそこにコミットせず、必要なことだけを伝えるようにしていました。

©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

――菅田さんはこれまでエッジの効いた役が多かったのですが、本作では普通の若者ですね。

エッジの効いた役もこういう普通の役も、彼だからこその表現にちゃんと落とし込めることができるのが彼の素晴らしいところですよね。それは有村さんに関しても同じ。2人ともこの数年間に主役を演じる機会も多かったでしょうし、自分たちが作品をしっかり背負わなければという覚悟みたいなものは感じていました。

©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

――モノローグが多いのですが、事前に録って被せながら撮影したのでしょうか。

長さやトーンを知りたかったので、撮影が始まる前にモノローグは全部収録しましたが、現場でそれに合わせて芝居してもらうようなことはしていません。結局、編集が終わった時点でモノローグはほぼ録り直しました。やはり実際に演じてみると、台本上ではわからなかった感情の微妙なニュアンスの違いが生まれて来ることも多かったので、それを活かすかたちで。

――絹がお気に入りのブログから引用した「はじまりはおわりのはじまり」というセリフが印象に残りました。

恋愛に限らず、すべてことは永遠に続くものではなく、その時その時の輝きでしかない。絹は彼らの恋愛の歴史でいえばピークのところで、2人の関係が永遠ではないことを心のどこかですでに悟っているんですよね。これは男女の違いなのかもしれませんが、2人の温度差が繊細に表現されています。2人の海のシーンは僕もとても好きなシーンです。

©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

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ほりきみき

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