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【70年代パニック映画】今だから見たい!危機管理の勉強にもなる?古典的名作おすすめ7選

「パニック映画の神様」アーウィン・アレンが放った二本の金字塔

◎ポセイドン・アドベンチャー(1972年 アメリカ)

『ポセイドン・アドベンチャー』DVD(販売元 : ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社)

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1400名の乗客を乗せてニューヨークからギリシャのアテネに向かって航海していた豪華客船「ポセイドン号」は、新年を迎えた直後、海底地震が原因で発生した32mの高さの大津波の直撃を受けた。船には十分なバラスト(底荷)が注入されていなかった上に、会社の命令によって全速で航行していたため、大波を受けた船はあっと言う間に転覆してしまう。折しも大食堂ホールでは新年を祝うパーティーが開かれていて、壁に叩きつけられたり落ちてきたものの直撃を受け、多数の乗客・乗員が死傷してしまう。
天井と床が入れ替わってまさに天地が逆転したホールには、それでもまだ多数の人々が生き残っていた。その中の一人で型破りな牧師スコット(ジーン・ハックマン)は、雑貨商のマーティン(レッド・バトンズ)の「船底へ行けば救助隊が来る」という言葉に同意して、同行するメンバーを募る。海面から下にあるこのホールにはいずれ海水が流れ込んでくるのは目に見えている。しかし、パーサーはここで救助隊を待つこと主張し、その言葉を信じた多くの乗客たちはスコットに耳を貸さない。結局、彼に同行することになったのは、マーティンや刑事のロゴ夫妻(アーネスト・ボーグナイン、ステラ・スティーヴンス)、ローゼン夫妻(ジャック・アルバートソン、シェリー・ウィンタース)ら9人。彼らが巨大なクリスマス・ツリーを上りきった時、爆発が起きて海水が一気に流入し、ホールに残っていた人々を飲み込んでしまう。
生き残った10人は、今や船の最上部になっている船底に向かって進んでいく。船尾の機関室には、鉄板が薄くなっている部分があると言うのだ。だが、その道のりの途中にはさまざまな危険が彼らを待ち構えていた…。

60年代、テレビで『宇宙家族ロビンソン』や『原子力潜水艦シービュー号』などのSFドラマをヒットさせたプロデューサーのアーウィン・アレンが、本格的な大作映画の製作に乗り出したのが、ポール・ギャリコの小説を映画化したこの作品。自身でもすでに数本の劇場用映画を監督した経験はあったが、今回は人間ドラマ部分の演出をイギリスのベテラン監督ロナルド・ニームに委ね、自身はアクション場面の演出に専念。おかげで、船が180°回転するスペクタクルや一行を襲う数々の危険を、CGがない時代ながら迫力いっぱいに画面に映し出した。
『十戒』(1956)の“原作”でもある旧約聖書の「出エジプト記」をベースにしたストーリー。『大空港』のヒットの原因の一つでもある「豪華キャストによるグランド・ホテル形式のドラマ」として作られた。特に、ユダヤ人夫婦の妻を演じたウィンタースは感動的な見せ場があり、極限状態におけるヒューマニズムを描いた人間ドラマとしても見応えのある作品に仕上がっている。
なお、船長役で登場するレスリー・ニールセンは後に『裸の銃を持つ男』シリーズ(1988~94)で大ブレイクして以来コメディにばかり出演したが、もともとはシリアスな性格俳優だったので、もちろんこの映画でもギャグはやらない。
パーティのシーンで歌われる『モーニング・アフター』はアカデミー主題歌賞を受賞、モーリン・マクガヴァンによるレコード・ヴァージョンが大ヒットした。

◎タワーリング・インフェルノ(1974年 アメリカ)

『タワーリング・インフェルノ』DVD(販売元 : ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント)

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サンフランシスコに建設された、地上550メートル、138階建ての世界最大の超高層ビル「グラスタワー」が落成式を迎えた。だが、ビルの設計者ダグ(ポール・ニューマン)が留守の間に、彼の指示よりもグレードが低い部品が使用されていた。社長のダンカン(ウィリアム・ホールデン)の娘婿で建設責任者のシモンズ(リチャード・チェンバレン)が予算を減らすために手抜き工事を行なっていたのだ。規格外の建物であるグラスタワーではあってはならない事態に火災の発生を危惧したダグはダンカンに警告するが、社長はグラスタワーの最上階で行なわれる落成記念パーティを開催する。
全米から多数の招待客が集まってくる間、補助電源を使ったことで81階の物置で火災が発生、瞬く間に火は燃え拡がる。要請を受けて出動した消防隊のチーフであるオハラハン(スティーブ・マックイーン)は、高さから言っても消火が非常に困難であると判断しつつも、ダグらと協力して消火活動に全力を尽くす。しかしその間にも火は燃え拡がり続け、300名の招待客が残る138階のパーティ会場へと近づいていた…。

『ポセイドン・アドベンチャー』を大ヒットさせたアレンが手がけた、さらに大がかりなパニック映画。もともとは、ハリウッドの二大メジャー映画会社、20世紀フォックスとワーナー・ブラザースがそれぞれ別の原作の映画化として進めていた企画がどちらも超高層ビルの火災を描いた物語だったため、競争を避けて共作することになった。ハリウッドの大手スタジオ同士の合作は初めてであり、その意味でも歴史的な作品だ。
『ポセイドン―』も確かに豪華キャストだったが、助演クラスの実力派が大半だった。しかし本作では、50~60年代のハリウッド映画やテレビの人気ドラマで主演を務めた経験があるスターが多数揃っている。出演者の格ではこちらが遥かに上。しかも、当時リアルタイムで主演スターとして活躍していたマックイーンとニューマンの初の本格共演ということで、世界中の映画ファンの話題を集めた。
『モーニング・アフター』を大ヒットさせたマクガヴァンが今回は劇中ヴァージョンも歌った主題歌『We May Never Love Like This Again』は今回もアカデミー主題歌賞を獲得、日本でも『タワーリング・インフェルノ 愛のテーマ』のタイトルで大ヒットした。
「安全を無視した利益追求」と「イベントの強行開催」は大惨事を引き起こす、というパニック映画のお約束が確立された作品でもある。
70年代のパニック映画では、内容、スケール、スターの人数と格など、すべての点で最高傑作と言える作品だ。
『ポセイドン―』と本作で「パニック映画の神様」の異名を取ったアレンだったが、その後に製作した蜂の大群のパニック『スウォーム』(1978)、出世作の(無理やりな)続編『ポセイドン・アドベンチャー2』(1979)、アレン作品を中心にパニック映画に出演した経験のあるスターを集めた火山島の脱出行『世界崩壊の序曲』(1980)はいずれも作品的にも興行的にも惨敗し、パニック映画ブーム自体が終息してしまったこともあり、映画のプロデュースから引退してしまった。

『みいつけた!』歴代スイちゃんまとめ|初代から現在まで
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Commentコメント

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杉山すぴ豊

2021/01/14 00:55

すぴ豊です。
『タワーリング・インフェルノ』『日本沈没』
『ジョーズ』は僕のオールタイムベスト10に
入るぐらい好きです。
『大地震』も好きですが、
あの映画の後、しばらくエレベーターのれなくなりました。
ちなみに『ウィラード』というホラー映画も
トラウマで『ネズラ』の記事みて思い出しました(笑)

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上妻 祥浩

2021/01/14 06:52

コメントありがとうございます!私もあの3本は特に好きです!全部、リアルタイムで劇場鑑賞したのですが、幼稚園の年長~小2の時でした(笑)。『大地震』のエレベーターは間違いなくトラウマになりますよね(^_^;)。『ウイラード』のキャラ設定はピクサーアニメの『レミーのおいしいレストラン』の基になっていると推測しています(笑)。

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上妻 祥浩

熊本県出身・在住。地元の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で新作映画の解説の仕事を行な...

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