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傑作・怪作連発!気鋭の映画製作会社「A24」の凄すぎる作品ラインナップの中から10選選んで紹介

まず簡単な紹介をすると「A24」は2012年8月20日にダニエル・カッツ、デヴィッド・フェンケル、ジョン・ホッジスらによって設立された新鋭の会社。

社名の由来はダニエル・カッツがイタリア旅行中に新しい映画会社を作ることを思い立ち、その時車で走っていたローマとテーラモを結ぶ高速道路、通称「アウストラーダA24」から直感的に名前を取ったという。

そして2013年2月公開の「チャールズ・スワン三世の頭ン中」から制作を始め、たった5年で「ムーンライト」でアカデミー作品賞を獲るまでの会社に成長した。

大手映画会社が見落としがちな低~中予算の独特な企画や脚本を形にして独自の路線を貫く同社。

既に70本を超えた同社の制作・配給作の中から特に特異な10作品をおススメしたい。

アンダー・ザ・スキン 種の捕食

原題 :UNDER THE SKIN

2014年10月4日より全国にて公開

2013年/イギリス/108分

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あらすじ

スコットランドの街中で次々と男たちが姿を消す事件が発生。彼らは消える直前、一人の美しい女(スカーレット・ヨハンソン)に声を掛けられていた。自らの妖艶さを武器に次々と男たちを誘惑する女、実は彼女は地球外生命体であった。当初は、慈悲のかけらも無く男たちを操っていたが、顔に障害を持つ男性との出会いをきっかけに、人間的な感情を持つようになっていく。様々な男たちを求めながら、放浪の旅を続ける女に待ち受ける運命とは……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/80855

ハリウッド随一のゴージャス美女スカーレット・ヨハンソンが寒々しいスコットランドの風景の中で男どもを誘惑して捕食するエイリアンを怪演。
彼女のヌードも見られる。

表現主義的で独特な捕食シーンが印象に残る。ただのSFホラーではなくラストは苦く切ない。

Mr.タスク

原題 :TUSK

2015年7月18日より全国にて公開

2014年/アメリカ カナダ/102分

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インターネット上での放送の一種ポッドキャストを友人のテディ(ハーレイ・ジョエル・オスメント)とともに運営するウォレス・ブライトン(ジャスティン・ロング)は、取材でカナダを訪れた。立ち寄ったバーである老人が体験談を聞いてほしがっていることを知り、彼の家に向かうことにする。ハワード・ハウというその老人(マイケル・パークス)に迎えられ、彼が海で体験したすさまじい話を聞きながら紅茶を飲んだところ、ウォレスはたちまち気を失ってしまった。目を覚ましたときには、足の感覚がなくなっていた。信じがたいことにハワードはウォレスをセイウチにしようとしていた。一方、ウォレスとの連絡が途絶えたことから、テディと恋人のアリー(ジェネシス・ロドリゲス)はある人物の力を借りつつウォレスの行方を探す……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/83283

「ムカデ人間」や「武器人間」の系譜で作られた人体改造ホラー。今回は人間が何にされてしまうかというとまさかのセイウチ。

完全に人体の素材だけで出来上がったセイウチのような物のおぞましさは必見。ちなみに元々はコメディ畑のケヴィン・スミスが監督をしているので独特のブラックユーモアにも注目。

手紙は憶えている

原題 :REMEMBER

2016年10月28日より全国にて公開

2015年/カナダ=ドイツ/95分

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最愛の妻ルースが死んだことさえ覚えていない程、物忘れが進行している90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)。ある日、彼は友人のマックス(マーティン・ランドー)から1通の手紙を託される。「覚えているか。ルース亡き後、誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい――」二人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、大切な家族をナチス兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、“ルディ・コランダー”という名で現在も生きているという。容疑者は4名。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴは単身で復讐を決意。託された手紙とかすかな記憶だけを頼りに旅立つが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/87091

齢90を超えてかつてのナチス兵士に復讐をする老人をクリストファー・プラマーが好演。被害者も加害者も老人故の落ち着いてみていられない緊張感がたまらない。

そして主人公の物忘れのひどさは「メメント」も彷彿とさせるが、ラストに待っている衝撃の展開は本作が上回っている。

ナチスの犯した罪の重さを独特な形で表現している。

「手紙”は”憶えている」というのがどういう意味なのか見て確認していただきたい。

グリーンルーム

原題 :GREEN ROOM

2017年2月11日より全国にて公開

2015年/アメリカ/95分

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売れないパンクバンド『エイント・ライツ』は、ようやくライブ出演の機会を獲得。オレゴン州の片隅にあるライブハウスに向かうが、そこはネオナチが集まる巣窟だった。殺伐とした空気が流れる中、挑発的な曲を演奏。どうにか出番を終えるが、バックステージで偶然殺人現場に出くわしてしまう。ライブハウスのオーナーは目撃者を全員消すよう部下に命じ、メンバーたちはネオナチ集団に命を狙われる羽目に。メンバーたちは楽屋にこもり、数でも装備でもかなわないネオナチ集団に立ち向かっていくが……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/86909

グリーンルームとは”楽屋”の意味。思いがけず危険な組織のところに来てしまったただのバンドマン達による密室スリラー。

容赦ない突発的暴力描写が心底恐ろしく、主人公たちだけでなく悪役が死んでも「取り返しがつかないことになってしまった」という雰囲気が漂うバイオレンス映画だ。

「スタートレック」「君が生きた証」などで名を挙げながら早世してしまった若手実力派アントン・イェルチンの遺作でもある。

こちらもまた毛色の違うナチスもの。

ウィッチ

原題 :THE VVITCH

2017年7月22日より全国にて公開

2015年/アメリカ/93分

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1630年、アメリカ・ニューイングランド。街を追い出されたウィリアム(ラルフ・アイネソン)とキャサリン(ケイト・ディッキー)夫妻は、5人の子供たちと共に敬虔なキリスト教生活をおくるため、村はずれにある森の近くの荒れ地にやって来る。だが突如、赤子のサムが何者かに連れ去られ、行方不明になってしまう。連れ去ったのは森の魔女か、それとも狼か……。悲しみに暮れる家族だったが、ウィリアムは美しく成長した愛娘トマシン(アニヤ・テイラー=ジョイ)が、魔女ではないかと疑いはじめる。疑心暗鬼となった家族は、やがて狂気の淵に陥っていく……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/88601

ただのホラー映画ではなく家族が極限状態で崩壊していく嫌なドラマ。

魔女が題材だがキリスト原理主義的考えの窮屈さも嫌というほど描かれている。

そして得体の知れない森や自然の恐ろしさも。

美人ながら独特な顔立ちで、男を誘惑する魔女として疑われるにふさわしいアニヤ・テイラー・ジョイが素晴らしい。

ひたすら鬱屈した家族の物語と不可解な事象の連続で気が滅入るが、全てを失った主人公が辿り着く恐ろしくも美しく開放感すらあるラストにも注目。

聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア

原題 :THE KILLING OF A SACRED DEER

2018年3月3日より全国にて公開

2017年/イギリス=アイルランド/121分

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美しい妻と健やかに育つ二人の子に囲まれ郊外の豪邸に暮らす心臓外科医スティーブン。ある少年を家に招き入れて以来、その恵まれた生活の中で奇妙な出来事が起こりはじめる。突然歩けなくなり、目から赤い血を流す子どもたち。そしてスティーブンは容赦ない選択を迫られる。

出典元:https://eiga-board.com/movies/89400

ジャンル的には一応ホラーなのだがあんまりにもあんまりな事態が起きるので笑ってしまうようなバランスの映画。

受身で事態を悪化させる主人公をコリン・ファースが見事な弱弱しさで演じ、対する強気な妻ニコール・キッドマンも素晴らしい。

彼ら家族を追い詰める少年を演じるバリー・コーガンの不気味な存在感も見どころ。

終盤には笑っていいのか怖がっていいのかわからない最低最悪かつ、くだらなくて一生忘れられなくなるような強烈なシーンが待っています。

スイス・アーミー・マン

原題 :SWISS ARMY MAN

2017年9月22日より全国にて公開

2016年/アメリカ/97分

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孤独な青年ハンク(ポール・ダノ)は無人島で助けを求めていた。しかし、いくら待てども助けは来ず、絶望の淵で自ら命を絶とうとしたそのとき、波打ち際に男の死体(ダニエル・ラドクリフ)が流れ着く。その死体からはガスが出ており、浮力を持っていた。その力は次第に強まり、死体は勢いよく沖へと動き出す。ハンクが意を決してその死体にまたがると、ジェットスキーのように発進する。死体の男の名前はメニーで、彼は十徳ナイフのような万能性を備えていた。こうして、青年と死体の過酷で奇想天外な旅が始まる……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/88740

アイデアのバカバカしさで出オチのように見えるが、ラドクリフは全編通して喋る変な死体をしっかりと演じきっていて飽きは来ない。

水上ジェット以外に武器、水タンク、大工用品としても使える死体という設定を活かしたギャグも見どころ。

ちなみに「スイス・アーミー・マン」というタイトルは十徳ナイフを海外では「スイス・アーミー・ナイフ」と呼ぶので様々な機能が使える死体メニ―をそのように呼んでいる。

孤独な青年がなぜ死体と旅をしていたのか、その意味が分かるラストにはさわやかな感動が待っている。

こんな企画にGOサインを通すのがA24の凄いところだ。

アンダー・ザ・シルバーレイク

原題 :UNDER THE SILVER LAKE

2018年10月13日より全国にて公開

2018年/アメリカ/140分

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ロサンゼルス・シルバーレイク。大物になる夢を抱いて出てきたはずが、気付けば仕事もなく、家賃まで滞納しているサム(アンドリュー・ガーフィールド)。ある日、向かいに越してきた美女サラ(ライリー・キーオ)にひと目惚れしたサムは、何とかデートの約束を取り付けるが、翌朝、彼女は忽然と消えてしまう。もぬけの殻になった部屋を訪ねたサムは、壁に書かれた奇妙な記号を発見、そこに陰謀の匂いをかぎ取る。そんななか、大富豪や映画プロデューサーらの失踪や謎の死が相次ぎ、真夜中になると犬殺しが出没。巷では街を操る謎の裏組織の存在が噂されていた。暗号にサブリミナルメッセージ、都市伝説や陰謀論をこよなく愛するサムは、無敵のオタク知識を総動員してシルバーレイクの下に蠢く闇へと迫っていく……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/90839

筆者の個人的一押し作品。

「イットフォローズ」で名を上げたデビッド・ロバート・ミッチェルが自身の好きな映画や音楽その他サブカルチャーの要素や都市伝説を闇鍋のようにごった煮にして出来上がった新感覚ノワール。

一度見ただけではすべて理解できない情報量だが、何回見てもパズルのピースが完全にはハマらないような作りになっている。

見れば見るほど謎が謎を呼ぶこの掴みがたい魅力によって本作は今後カルト化していくだろう。

ただ難解なノワールというだけでなくミッチェル監督が一貫して描く「大人と子供の狭間にいる人間が世界の現実を知り、受け入れて成長する」物語にもなっており、切ないストーリーでもある。

語りつくせない魅力のある作品。

ちなみに難解すぎて配給会社が及び腰になり肝心の本国アメリカではまだ公開されていない。

ヘレディタリー/継承

原題 :HEREDITARY

2018年11月30日より全国にて公開

2018年/アメリカ/127分

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グラハム家の祖母エレンが亡くなった。娘のアニー(トニ・コレット)は、過去の出来事がきっかけで母に愛憎入り交じる感情を抱いていたが、エレンの遺品が入った箱には、私を憎まないでというメモが挟んであった。そんななか、アニーは、夫のスティーブ(ガブリエル・バーン)、高校生の息子ピーター(アレックス・ウォルフ)、そして人付き合いが苦手な娘チャーリー(ミリー・シャピロ)とともに粛々と葬儀を行う。祖母を亡くした喪失感を乗り越えようとする一家だったが、グラハム家で奇妙な出来事が頻発し始める。不思議な光が部屋を走り、誰かの話し声が聞こえ、暗闇に誰かの気配がする……。祖母に溺愛されていたチャーリーは、彼女が遺した“何か”を感じているのか、不気味な表情で虚空を見つめ、次第に異常な行動を取り始めるのだった。やがて最悪な出来事が起こり、一家は修復不能なまでに崩壊してゆく……。

出典元:https://eiga-board.com/movies/90965

21世紀最恐ホラーとの呼び声も高い傑作にして、A24の歴代No.1ヒット作品。

とにかく恐ろしいうえに、家族の崩壊ドラマでもあるので心底トラウマになるようなシーンが続く。
家族という一番拠り所にしたい存在が一番の地獄になってしまうという本当に嫌な話だが、本作はぜひ2回見ていただきたい。

脚本も務めたアリ・アスター監督は本作が長編デビューだが、とにかくストーリー、演出、撮影、音楽の使い方に至るまで観客を恐怖のどん底に突き落とすために完璧と言っていいほど緻密に微に入り細を穿って映画を作っている。

2回見れば伏線や細かい演出がよりわかってくる上に、1度目より冷静に見られるので、本作を観てトラウマを植え付けられた場合はもう一度見返すのがオススメ。

主演のトニ・コレットの迫真の演技と恐ろしすぎる顔面にも注目だ。

A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー

原題 :A GHOST STORY

2018年11月17日より全国にて公開

2017年/アメリカ/92分

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若い夫婦のCとMは田舎町の小さな一軒家で幸せに暮らしていたが、夫Cが交通事故により突然他界する。病院でCの遺体を確認し、シーツを被せ病院を去る妻M。すると死んだはずのCがシーツを被ったまま起き上がり、自宅に戻る。Mは幽霊となったCの存在に気付かないが、Cは悲しみにくれるMを見守り続けた。やがてMは前に進むためあることを決断。Cは妻の残した最後の思いを求めてさまよう。

出典元:https://eiga-board.com/movies/90926

とにかく静謐でセリフの少ない作品。しかも画面は昔ながらのスタンダードサイズでゴーストのデザインは穴あきシーツを被っただけ。
しかしシンプルで地味なように見えるが途中から時空を超えた壮大な物語になっていく。まるで手塚治虫の「火の鳥 未来編」を見ているかのようだ。

一組の夫婦の話から壮大な時間旅行の描写を経てまた夫婦の物語に戻っていく。その中で描かれているのは「人が生きる意味とは?」という根源的な問い。

ラストに訪れる主人公が「自分が生きた証」を見る瞬間は感動的。

幽霊物語でありながら普遍的な生命賛歌の物語になっている。

まとめ

紹介した10本はサスペンス、SF、ホラーが多かったがA24はその他「ルーム」や「20センチュリーウーマン」「レディ・バード」など上質な人間ドラマや青春映画も作っているのでそちらも見ていただきたい。

2019年も多数の作品が控えており同社の快進撃から目が離せない。

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whitestonetaichi

映画大好き会社員。副業でいくつか媒体に記事書いてます。 2018年ベストはアンダーザ...

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