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【映画『無頼』井筒和幸監督インタビュー】ヤクザの生きざまに戦後日本史を重ねたドラマに込めた思いとは?

ヤクザを通して戦後の日本史を振り返ってみた

映画『無頼』は、終戦後の混乱期に両親からの愛情を満足に与えられることなく貧困の中で少年期を過ごした井藤正治(松本利夫)がヤクザの世界に身を投じ、妻・佳奈(柳ゆり菜)に支えられながら一家を構え、時代の流れの中で命懸けで生きていく姿を描いている。1956年から始まり、時代が昭和から平成に移ったバブル崩壊期を経た40年以上にわたる物語を2時間25分でまとめた長編作品だ。
この作品で、『黄金を抱いて翔べ』(2012)以来8年ぶりに監督を務めた井筒。最近は映画評論などでテレビ出演が多いが、本作はそんなブランクを感じさせない、井筒らしいキレとパワーと情感に満ちた力作に仕上がっている。
その井筒監督が、映画の宣伝キャンペーンでインタビューに答えてくださった。

――この映画を作られた動機をお聞かせください。
井筒「僕は今まで不良ものの映画をいっぱい撮ってきたけど、不良にしてもヤクザにしても、誰も好き好んでなりはしませんよ。「男の世界はいいなあ」って言ってるだけで、本腰を入れて決心しないとなれないですよ。「なる」と言うか、そういう境遇に追いやられている。そのことが問題であって、そこには差別、出自のこと、孤児だったその境遇、極貧などいろんな理由がある。当たり前ですよ。そういうことはどこにでもあると思います。そこで「はぐれ者」が出てくるわけです。ロクに学校も行かなくなって、親もいないし、誰を頼って生きていったらいいんだ?と。しかもいろんな事情で社会からははじき出される。法律はあってもヤクザ社会はなくなりませんよ。あれは、ヤクザは社会から消えろという法律で、街から出て行けという法律ではないんだから。そりゃ消えますよ。堅気になったらいい。でも生きられない。締め出されて食いっぷちがないんだから。でも、銀行の口座も開けない。家族はどうするんだ?家族は当たり前の人間なのに、孫も幼稚園に行けない。そこまで分かった上での法律なのかね?と、僕は引っかかってたんですよ。やっぱり、差別境遇から来るヤクザ社会というものを昭和史とともに見つめてみることの方が、今の僕がやるべきことだろうし、僕の作品らしいだろうと思ったんです。冒険娯楽ものを作るのもいいけど、もう一回「欲望の戦後の昭和」を見直した方がいいんじゃないの?いろんなやつがいたし。今もいる。なりたくてアウトローになる人間なんかいませんよ。僕は昔からそう思っていました。だから、真面目なヤクザ映画…というのも変だけど、一回ちゃんと冷静に見てみる、反面教師でいいから、ヒントになるんじゃないかな?と思って、この映画を作りました。」

Ⓒ2020「無頼」製作委員会/チッチオフィルム

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上妻 祥浩

熊本県出身・在住。地元の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で新作映画の解説の仕事を行な...

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