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映画boardライターが選ぶ2020年 ベスト映画TOP10ランキング

1位『異端の鳥』

原作は、1965年に出版されたイェジ―・コシンスキの半自伝的小説「ペインティッド・バード」。異端の鳥と翻訳されているペインティッド・バードという言葉の意味を現すシーンがあります。鳥捕りの男が、1羽の鳥を捕まえてペンキを塗って空に放つと、仲間の鳥たちがその鳥を「異質」とみなし、一斉に攻撃してしまうのです。

第二次世界大戦中のヨーロッパで、社会的に差別を受けてきたジプシーやユダヤ人の人々は実際に存在します。映画の中のような出来事が本当にあったかどうかは別にしても、「異質」というレッテルを貼った人々を排除するという行動は、何も戦時中だけの問題ではありません。現代社会にもその根っこはまだ残っています。

親元に帰るために一人彷徨う少年が、「異質」扱いされて虐待される描写は見ていて苦しいです。けれども、人間の中には悪の部分があり、戦争中など特定の状況下では、自分の中から思いもしなかった悪が湧きだしてしまうことがあるんです。それを知っておきたいと思いました。

冒頭から目を覆いたくなるシーンが多発しますが、悪が人間の集団の中で発生した時に、悪とはどんなものなのかを知らなければ対抗することもできない。そう思って最後まで見ました。衝撃的なストーリーと美しい映像の対比が心を惹きつけ、あっという間の169分です。あらゆる意味で一生忘れられない映画となりました。

VENICE, ITALY - SEPTEMBER 03: Udo Kier, Aleksey Kravchenko, Stellan Skarsgård, guest, Barry Pepper, Petr Kotlár, director Václav Marhoul and Julian Sands attend "The Painted Bird" photocall during the 76th Venice Film Festival on September 03, 2019 in Venice, Italy. (Photo by Vittorio Zunino Celotto/Getty Images)

異端の鳥

異端の鳥

2018年/チェコスロバキア=ウクライナ/169分

作品情報 / レビューはこちら

2位『レ・ミゼラブル』

ビクトル・ユゴーの小説『レ・ミゼラブル』とは別の現代の物語です。『レ・ミゼラブル』の舞台となったパリ近郊のモンフェルメイユ地区にある団地に住む人々が主人公。

移民系の貧困層が多く住んでいるこの地区では、華やかなパリとは別の風景が広がっています。人種、宗教の異なる人々が暮らすこの地区では犯罪率も高く、アフリカ系移民、ムスリムの人たち、そして麻薬を扱うギャングたちと多様なコミュニティーが混在しています。

この映画を見てすぐ、世界のニュースをもっと知らなければいけないと反省しました。これからの世の中、知らなかったでは済まないことがたくさん起こると思うのです。これだけインターネットが発達しているのだから、自分から情報を取りに行かなければ取り残されてしまうという危機感を感じました。そういう意味で、目を覚まさせてくれた印象的な作品です。

CANNES, FRANCE - MAY 16: (L-R) Damien Bonnard, Djebril Didier Zonga, Al Hassan Ly, Director Ladj Ly, Issa Perica and Alexis Manenti attend the photocall for "Les Miserables" during the 72nd annual Cannes Film Festival on May 16, 2019 in Cannes, France. (Photo by Dominique Charriau/WireImage)

レ・ミゼラブル(2019)

レ・ミゼラブル(2019)

2019年/フランス/104分

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3位『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』

個人的に大好きなオルコットの小説『若草物語』の映画化。過去に何度も映像化されているので、女優を変えて再び映像化することに意味があるのかな?と少し疑問に思っていました。でも、現代を代表する女性監督グレタ・ガーヴィグがメガホンをとるということで公開を楽しみにしていました。

ところがコロナウィルスの影響で3月の公開が延期となってしまいます。3か月後の6月にようやく日本公開となり、待ちきれずに初日に鑑賞に行きました。長らく自宅待機をしていたので、久しぶりの外出でした。

そういった状況化の中で映画館で鑑賞したこの映画の感動は忘れられません。2020年版の若草物語として現代に生きる女性監督の新たな視点が入っているのが新鮮でした。数十年後にまた、新たな時代の若草物語が制作されていくのだろうと感じて、古典的名作の持つ力を再確認させられました。

LONDON, ENGLAND - DECEMBER 15: (L to R) Timothee Chalamet, Saoirse Ronan, Florence Pugh, Greta Gerwig and James Norton pose at a morning photocall for "Little Women" at the Corinthia Hotel London on December 16, 2019 in London, England. (Photo by David M. Benett/Dave Benett/WireImage)

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語

2019年/アメリカ/135分

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『ゴーストバスターズ』シリーズで活躍したキャストたちのその後18選【あの人は今・2021年版】
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峯丸ともか

映画&海外ドラマライター。映画の感想や良いところを分かりやすくレビューできればう...

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株式会社doroguba(ドログバ)

2021/05/14 22:32

おもしろかったです

5

「名探偵コナン 緋色の弾丸」

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2021/6/7 更新

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