
Happy Birthday!
本日お誕生日スー・チー
例えば映画好きが集まると「あれ観たか?」と話題になる作品というのがあります。最近だと『テネット』がそうですが、17年に公開された『新感染半島 ファイナル・ステージ』もまさに映画ファンの間でMUST SEE的に語られる作品の一つでした。
韓国でバイオハザード事故が起こり、恐怖のウィルスが拡散。
そのウィルスに感染した人間は凶暴化、つまりゾンビのようになってしまうのです。
このへんはデビッド・クローネンバーグの傑作『ラビッド』(未知の狂犬病ウィルスで人々が狂いゾンビ化する)に似ています。
そして“新感染”は“新幹線”とかけています。韓国の高速鉄道(つまり韓国の“新幹線”)KTXを舞台に、つまり走る密室空間の中でゾンビ化した乗客と生き残った人間たちのサバイバルが始まります。日本映画の名作『新幹線大爆破』のような緊張感があります。ゾンビの見せ方もうまい!
ホラー×サスペンス・アクションとして面白いのですが本作が名作たる所以は、“泣ける映画”だったのです。妊婦の妻を気遣う夫、幼い娘を守ろうとする父親の家族愛を描いていて僕は泣いてしまいました。
この作品があまりに完璧だったので、ぶっちゃけ本作の続編が作られると聞いた時、あまり期待していなかったのです。これ以上の作品は作れないだろうと。
ところが、今回の『新感染半島 ファイナル・ステージ』は、そんな僕らの思い込みを超えて、これまた素晴らしいエンタテインメントに仕上がっていました。
その一番の理由は、これが“続編”ではないことなのです。脚本兼監督は前作同様ヨン・サンホ監督ですが、前作の出演者は出ていません。『新感染 ファイナル・エクスプレス』で描かれた“韓国がゾンビ・パンディックで崩壊する”という設定だけを踏襲し全く新しい作品を作り上げたといってもいいでしょう。
前作から4年。結局、韓国はウィルスおよびゾンビを制圧できず、見捨てられた国となっています。韓国の人々は海外へ逃れ難民として暮らしています。そして韓国は世界的にも立ち入り禁止の区域として“封印”されているのです。
こうした状況下の中、いまは香港でひっそりと暮らしている韓国の元軍人が、金を目当てに、危険な仕事を引きうけます。ソウルに乗り捨てられたトラックの中になんと現金2000万ドルが眠っているという。それを回収せよ、と。こうして主人公はかつての祖国、変わり果てた祖国に潜入します。そこはゾンビたちが徘徊する世界ですが真に恐ろしいのはここを支配する武力集団。そして主人公はこの武力集団とゾンビから逃れて暮らす、ある家族と出会います。そしてドラマが動き出す。
一言で言うと、この映画に登場する韓国は、ゾンビがいるマッド・マックスみたいな世界なのです。従ってゾンビがうろつく街を主人公&家族VS武装集団が壮絶なカー・バトルをくりひろげます。
前作が一本の超特急という閉鎖空間で描かれるシチュエーション・ホラーなのに対し
本作は多数の車が縦横無尽に走りまわるスペクタクル・ホラーなのです。
しかも主人公が元軍人ということで戦闘術のエキスパート。
前作には無かった銃および銃撃戦のアクションが派手に展開されます。
今までいろいろなゾンビがスクリーンに登場し様々な方法で退治されてきましたが、
本作では車を使っていかにゾンビを倒すか、という斬新なアイデアが盛り込まれています。
前作が直進する列車という”縦”の物語なら
本作は街全体に広がるという”横”。
前作が白昼なら
本作は夜
が主な舞台です。
わけありの主人公が、
変異を遂げた街に潜入するというのは
『ニューヨーク1997』『スーサイド・スクワッド』
のようだし、
カーアクションは”ワイスピ”ってますね。
なお「新感染」シリーズのゾンビたちは
光のあるところで暴れまくる、という習性があり
”闇のクリチャー”でないところもユニークです。
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2021/4/12 更新
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