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邦画ホラーの金字塔!映画『リング』 原作&ドラマ版との違いから考察する「貞子」の怖さ

『リング』作品に共通する大まかなあらすじ

親戚の不可解な変死をきっかけにして「見た者を7日後に死にいたらしめる」という「呪いのビデオ」を見てしまったジャーナリストの浅川。同級生の高山とともにビデオの謎の解明と、呪いの解除方法を探るため奔走する。

やがてビデオの断片的な映像から、霊能力を持つ「山村貞子」という女性に行き着き、彼女の怨念によって念写されたものが「呪いのビデオ」だと判明する。浅川と高山は非業の死を遂げた彼女の遺骨を引き上げて供養し、呪いは解けたかと思われた。

しかしその後、高山がビデオを見てから7日後に死亡してしまう。そう、呪いは解けていなかったのだ。
生き残った浅川は自分が生き延びた理由が「ビデオをダビングして他人に見せたこと」だったと気づき、自分が貞子の怨念=呪いを広める役割を担わせれたことを悟るのだった……。

原作の貞子は幽霊じゃない!?

「貞子」と聞くと白装束に長い髪、井戸から這い上りテレビから現れる幽霊……と、多くの方が映画版の貞子のイメージをお持ちのかもしれません。ですが、原作である鈴木光司の小説版『リング』(1991年)を読んでみると、「貞子」こと山村貞子の印象はこれとはだいぶ異なります。

まず、貞子は映画版のように幽霊や怨霊のような形で登場人物たちの前にその姿をさらすことはありません。

原作における「貞子」は、普通の人とは違う超能力を持ったがゆえに人々に畏れられ、最後には強姦され殺害されるという薄幸の美しい女性として描かれているのです(また、身体的には「半陰陽」という特徴を持っているとされています)。

そんな、非業の死を遂げた彼女の現世への未練が、ウィルス(原作では天然痘)と結び付き、まるで感染症のように「呪いを伝播させていく」のが『リング』における呪いの正体でもありました。

その後、小説の物語は『らせん』『ループ』と続き、「貞子」が何者であるかを、そして「呪い」の本質を、科学的なアプローチとSF的な事象でもって、次第に明らかにしていくバイオホラー的な側面のある構成になっているのです(他に外伝的な短編集『バースデイ』、新シリーズの『エス』『タイド』がある)。

非科学的な「呪い」を科学的に解明しようとした原作版『リング』シリーズは、「貞子」の存在の謎とともにあったと言えるでしょう。

ちなみに、本作の山村貞子のモデルとなった人物は、明治時代に実在した千里眼能力者であるとも言われています。
千里眼として特に有名な御船千鶴子は、貞子の母親である「山村志津子」のモチーフとなっており、千里眼の公開実験によりマスコミなどから非難を浴びたことや、その後に自殺した点など共通している点も多いです。

Video cassette tape

また、物語の発端である「呪いのビデオ」には昭和の時代から手を変え品を変え、子どもや中高生の間で流行する「不幸の手紙」や「チェーンメール」の要素が感じられます。

今はもうほとんど目にすることのなくなった、ビデオテープやブラウン管は「呪い」などの非科学的なものが信じられた最後の時代の遺物なのかもしれません。

世紀末の90年代に生み出されたこの『リング』という物語は、不安定な社会情勢や加速するテクノロジーへの不安など、人々が心の奥底に抱える「恐怖」を表現した作品だったように思えます。

【あの人は今】佐藤健主演『仮面ライダー電王』メインキャストの当時と現在の活躍に迫る
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ナオミント

ただの映画好き三十路主婦。2児の母。好きなジャンルはホラーコメディ、ダークファン...

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