映画board

Birthday!

安室奈美恵

【映画の波打ち際16】二階堂ふみ&長谷川博己W主演映画『この国の空』 荒井晴彦的野心に考える

■コロナ危機に思うこと

さて、ここからは現在、世界的な大流行によって有史以来の危機をもたらしている「新型コロナウイルス」の脅威について綴っておきたい。この脅威はおそらくこれだけの高度な医療技術があれば、収束していくに違いない。第一、コロナ禍は人類を滅亡させるほどの脅威ではない。だが、社会と政治の認識は違った。同じ東アジアの国である台湾や韓国に比べて大分、やみくもに進められてしまった現政権によるあらゆる対策措置。それに対して学問的深淵を覗き込み、警鐘を鳴らす者がまるで社会の敵のように扱われ、煙たがれる。人命第一 はそうした世界の不条理に対する抗いとして叫ばれなければならない。

この現実をどれだけ自分事として捉えられるかが問題となる。危機の中にいる人は、 大きな不安を抱えるが故に目先のことにしか注意がいかなくなる。それは戦時中も同じだったはずだ。その不安がやがて他者を排除するヒステリーを引き起こす。これは国民国家の最大の弊害である。 そこで視野を少しだけ広げて考えてみると、世界の危機はそのまま私たちの生活、 生命、生存の危機として現実化することくらいすぐに想像がつく。決して遠い世界のことではない。危機はすぐ隣で息を殺して控えている。今や、私たちはグローバルな存在であることを理解しなければならないのだ。それは当然楽観的なモダニズムに根ざしてはいないということも重要だ。

世界の危機を自分事として捉えるための想像力を養うことを怠れば、人類が忘れた頃に再びやって来る災禍の危機を迎えた時にはなすすべもなく、滅亡の瞬間をただじっと待つしかなくなるだろう。ひとりひとりが広い視野を持ったグローバルな存在が支える国民国家は次にさらに視野を広げ世界の中の存在としての意識を強 化しなければならない。このコロナ禍だからこそ、今一度国境を越えた結びつきが求められている。しかしアメリカのトランプ大統領は、中国の武漢が発生源となったコロナウイルスを「チャイナ・ウイルス」と呼んで、責任の所在を明確にした。 さらに世界保健機関との連携関係を打ち切るという強行手段に出たミー・ファースト主義は国民国家の最たる弊害として世界史に刻まれることとなってしまった。ではそんなアメリカに代わって世界のグローバリズムのイニシアティブをとっていくのは中国ということになるのだろうか。いずれにしても、ひとりひとりの国民が 国家(他者)への、そして世界への想像力を養うことが国民国家存続の鍵となるはずだ。そしてこのコロナ危機が明けた頃、必ずやそれをイデオロギーとしてではなく、厳然たる「映画的なまなましさ」によって捉える優れた映画作家が現れることを大望してやまないのだ。

子どもと一緒に観たい!Hulu フールーでおすすめの面白い映画 ランキング TOP20

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

投稿がありません。

この記事の画像  3枚

Writer info

バンビーノ

プロデュース業、時々映画ライター。BANGER!!!、リアルサウンド映画部、FILMAGA、他メ...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

ますかた一真の映画 星占い - 今週の運勢

Review最新のレビュー

ナツキ

2020/09/16 17:59

最高の組み合わせ

5

「糸」

かにこ

2020/09/13 19:56

心臓バクバク

3

「カウントダウン」

Comment記事へのコメント

Ranking動員数ランキング

2020/9/14 更新

映画動員数ランキングへ

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

あなたの好きな映画の見かたは?

あなたの好きな映画の見かたは?
絶対、字幕版
どちらかというと字幕版
どちらも観る
どちらかというと吹替版
絶対、吹替版
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

Presentプレゼント

ご応募はこちら

Popular Tags人気のタグ

おすすめ映画まとめ ランキング 最強のふたり ホラー 洋画 コメディ ジョーカー(2019) インターステラー セクシー 編集部選(おすすめ映画特集)

Pick Upピックアップ