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【映画の波打ち際16】二階堂ふみ&長谷川博己W主演映画『この国の空』 荒井晴彦的野心に考える

■不謹慎な戦争映画とは

「朕深ク世界ノ大勢ト帝國ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ收拾セムト欲シ茲 ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク」

出典元:玉音放送

(C)2015「この国の空」製作委員会

終戦70周年を迎えた2015年、終戦の知らせとなった昭和天皇の「玉音」を心にとどめている者も数少なになりつつも、多くの戦争映画、戦争ドラマが来る8月15日に向け製作された。そのどれもが「反戦」を謳うものであったが、日本を代表する脚本家である荒井晴彦18年ぶりの監督作である『この国の空』には「反戦」を叫ぶおこがましさなどどこにも見あたらなかった。

結核で父親を亡くし、母親と2人で暮らす里子(二階堂ふみ)が、隣に住む妻子を疎開させ1人暮らしをする銀行家の市毛(長谷川博己)と近しくなり、しまいには体をあずけてしまい、女としての目覚めを戦時下に経験する。『この国の空』の物語をかなり大雑把に説明するとこんな感じになるだろうか。完成披露試写会上映後、菅田将暉主演の映画『共喰い』(2013)でタッグを組んだ青山真治監督とともににスクリーン前に登壇した荒井監督は、「ある女が隣の男とできちゃう。安部批判でもなんでもない。ある意味で不謹慎な作品」と自作を短く説明していた。未だ長期政権となっている安部政権の是非をここで問うまでもないことだが、長谷川博己が二階堂ふみからもらったトマトを頬張るシーンを現場でみていたという青山監督は、冗談まじりに荒井晴彦の現場での監督ぶりを語って会場をわかせつつ、「これは、 大変珍しい映画。ヴィシー政権の頃を描いたフランス映画のようで、あまり日本では、 戦争はこういう描かれ方はされていない」と、この映画の「不謹慎さ」を肯定的に評価した。

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