映画board

【映画の波打ち際17】ルキノ・ヴィスコンティ監督作『ベニスに死す』から考える「LGBTQ」の争点とは

■ヴィスコンティが込めた想い

(C) 1971 Alfa Cinematografica S.r.l. Renewed 1999 Warner Bros.

アシェンバッハの葛藤は監督であるルキーノ・ヴィスコンティ自身のものであったと容易に想像がつく。だからこそヴィスコンティはこの愛すべき作品がカンヌでグランプリを受賞しないのであれば出品しないとまで言い放ったのである。

月並みな言い方になるが、ヴィスコンティは心で映画を作っている。ヴィスコンティの魂の震えがキャメラの動きにそのまま反映されている。あれだけ執拗にズーム・アップを繰り返す演出が稚拙にならずに効果を生んでいるのはそのためである。精神の底からの要請によって対象にとことんまで肉迫しようとする意志が、今、確かに「映画」を息衝かせる。このあたりに現代の語り調子の作家とヴィスコンティの芸術との決定的な違いがあるように思われる。

何も騒ぎ立てる必要はない。ヴィスコンティが血を分け、ヴィスコンティが芸術家として全てを仮託した主人公アシェンバッハがひとりの美少年との運命的な出会いによて身を滅ぼしていく姿のあられもない悲痛さを感じるのみだ。タジオが純白のタオルを身に纏い歩みだし、タジオに誘われるままに作曲家が筆を執りだす時、カメラは見事な弧を描いた。誘惑の美少年タジオは永遠の瞬間としてイメージされる。この瞬間以外に、世界で最も深くホモセクシュアルが薫ったのを筆者は他に知らない。

子どもと一緒に楽しめるパパ&ママがハマッてたアニメ7選

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

投稿がありません。

この記事の画像  4枚

Writer info

バンビーノ

プロデュース業、時々映画ライター。BANGER!!!、リアルサウンド映画部、FILMAGA、他メ...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

ますかた一真の映画 星占い - 今週の運勢

Review最新のレビュー

ナツキ

2020/09/16 17:59

最高の組み合わせ

5

「糸」

かにこ

2020/09/13 19:56

心臓バクバク

3

「カウントダウン」

Comment記事へのコメント

Ranking動員数ランキング

2020/9/14 更新

映画動員数ランキングへ

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

好きな映画のジャンルは?

好きな映画のジャンルは?
SF
アクション
クライムサスペンス
コメディ
青春
ドキュメンタリー
ヒューマンドラマ
ファンタジー
ホラー
ミステリー
ミュージカル
ラブロマンス
戦争
歴史
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

Presentプレゼント

ご応募はこちら

Popular Tags人気のタグ

おすすめ映画まとめ ランキング 最強のふたり ホラー 洋画 コメディ ジョーカー(2019) インターステラー セクシー 編集部選(おすすめ映画特集)

Pick Upピックアップ