映画『ゴッドファーザー』のウィスプ

あの世界的名優ロバート・デ・ニーロがオーディションで落とされていた！

解説

名門アクターズ・スタジオで演技を学び、これまで数々の作品に出演してきたロバート・デ・ニーロ。彼は多くの俳優に影響を与えてきた誰しもが認める世界クラスの役者です。しかしそんなデニーロは意外なことに「ゴッドファーザー」のオーディションを受け、最終選考まで残りながら落選していたのです。

実はデニーロはソニー役でオーディションを受けたのですが、コッポラ監督のイメージとは合わず落とされてしまいました。しかし当然ながらコッポラはデニーロの演技を認めていたので、「ゴッドファーザー」のシリーズ2作目では、オーディションをカットして若い頃のヴィトー役をオファーしたのでした。

American actor Robert De Niro, as Vito Corleone in The Godfather, Part II by Francis Ford Coppola, on a rowing boat in a scene from the movie. 1974. (Photo by Mondadori via Getty Images)

作品紹介

イタリアのシシリー島からアメリカに移住して巨万の富を築き上げたヴィトー・コルレオーネ一族を中心に、マフィア達の抗争を鋭く描いた映画史に残るクライム・ムービー。主演はマーロン・ブランドとアル・パチーノ、そして監督はフランシス・フォード・コッポラです。

「ゴッドファーザー」は1972年度のアカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞しました。当時のコッポラは映画関係者からの評価は高かったものの、興行的に成功した代表作はなかったので、本作の監督を依頼されたのは彼にとって大抜擢でした。一方、主演のマーロン・ブランドは撮影現場でのわがままな振る舞いや言動からハリウッドの隅に追いやられ、落ち目の俳優と噂されていました。そんなマーロン・ブランドは本作の企画を知り、自分自身のイメージビデオを制作してコッポラに手紙付きで送り、見事ヴィトー役を射止めたのです。

ちなみに劇中に出てくる結婚披露宴のシーンは、コッポラ監督が尊敬する黒澤明監督の「悪い奴ほどよく眠る」をオマージュしたと言われています。

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コトブキツカサ

73年静岡県生。映画パーソナリティとしてTV,ラジオ、雑誌などで活躍中。年間映画鑑賞数は約500本。その豊富な知識を活かし日本工学院専門学校 放送・映画科非常勤講師を務める。