
Happy Birthday!
本日お誕生日中山美穂
それぞれに同様の問題を抱え生きてきた3人の男たちの姿を軸に物語が描かれていくのだが、辿ってきた道筋はまさに三者三様。事件で負った心の傷が枷となっている点だけは3人とも共通であるが、仕事も家庭も考え方も生き方もそれぞれに異なる。同じ事件の被害者でなければ、接点を持つことなどなかった男たちなのかもしれない。同様の問題に向き合いながらも、そういったズレのような部分がチラホラ見え隠れしてくるのだが、過ちを繰り返させないため、己が正義を果たすため、プレナ神父の悪行や教会の悪しき慣習を明らかにしようと手を取り合っていく男たち。
©2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE
そうして一旦の成果を出しはするものの、その果てに彼らが辿る道筋を目にしたのなら、これまた突き付けられるものがあると思う。当事者ではないため分かった風には言えないが、彼らは生涯抱え続けていかなければならない心の傷を背負っている。この事件に真っ向から対峙していく限り、心に平穏が訪れることなどないのかもしれない。事件のことなど忘れ、思い出さないように努め、極力平穏な時間を追い求めるのも一つの生き方。それを逃げたと捉えられることもあるのだろうが、あえて距離を置くことも時には大切。同じ傷を背負いながらもそれぞれに歩む道が違えていく彼らを目にしたとて、そこに正解・不正解は見出せない。どんな形であれ、人生は続いていく。男たちが選択するそれぞれの生き方からは、多くのことが見えてくる。
©2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE
2020年3月、プレナ神父に禁固5年の有罪判決が下されたものの、プレナ神父は上訴し審理は現在も引き続き行われている。事件の存在は明るみになったものの、真の解決を迎えたとは言い難く、被害者たちが負った心の傷も癒えたというわけではない。一日でも早い解決を、被害者たちにとって納得のいく審判が下されることを、心の救済が成されることを祈るばかりである。
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2021/2/22 更新
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