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【映画の波打ち際15】東京アニメアワードフェスティバルでみた海外の力作について

■独創性あふれる短編部門

まず傾向として言えるのは、やはりその時代の社会性が反映されたものが面白ということです。これは実写映画もアニメーション映画も変わりなく、映像表現に共通しています。時代の姿を映し出す映画はそうやって多様性ある価値を生み出し、その時代を生きる人々に深い感銘を与えます。

『聖者の機械 6 – 前へ進め』(2018/スペイン/ジョジー・マリス監督)

コンペティション部門短編アニメーション優秀賞を受賞したスペインの『聖者の機械 6 – 前へ進め』は、未知の技術が到来した未来を鋭く照射する力作です。冒頭、群れをなす猿たちが突如飛来した黒い石盤のパワーによって技術を獲得する様は、SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』を彷彿とさせます。一方、影絵が織りなす世界にはユニークなロボットのキャラクターが登場し、両足の車輪を転がし、前へ前へ懸命に進んでいきます。ペルー・チリ出身のジョジー・マリス監督は直線的な物語の中で想像力を存分に発揮。自由自在にメタモルフォーズを繰り返すイメージの連鎖はアニメーション特有の表現力でしょう。

『金魚』(2018/台湾/フィッシュ・ワン監督)

今回、アジアのアニメーション作品はいずれも受賞には至りませんでしたが、そのイマジネーションは特筆すべきです。台湾の『金魚』は、寝ている間に夢を検閲し奪ってしまう権力者に抗う特殊能力を持った少年の物語。設定の背景には、民主主義が確立されていなかった1980年代の台湾の過去があります。上映後に登壇した本作のプロデューサーは「今になってやっとこの時代にフォーカスできるようになった。暗い部分をしっかり伝えていきたい」と話します。古く中国で皇帝や貴族たちに愛玩された金魚は富の象徴としてアジア圏に広く伝わっています。文化大革命時には、旧体制の象徴として破壊の対象になったほどです。本作には台湾の怪異譚としての趣をもちながら、恐怖政治の歴史が反映された時代の鏡としての側面があります。

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バンビーノ

プロデュース業、時々映画ライター。BANGER!!!、リアルサウンド映画部、FILMAGA、他メ...

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