安藤エヌの映画で知るLGBTQ～第3回『君の名前で僕を呼んで』～

『君の名前で僕を呼んで』は、大学教授であるアンドレ・アシマンが2007年に発表した小説『Call Me by Your Name』を原作とした伊/仏/ブラジル/米合作の映画です。
主人公の少年、エリオ役をティモシー・シャラメが、彼の別荘にやって来る年上の青年、オリヴァーをアーミー・ハマーが演じています。

PARK CITY, UT - JANUARY 22: Actors Armie Hammer and Timothee Chalamet attend AT&T At The Lift during the 2017 Sundance Film Festival on January 22, 2017 in Park City, Utah. (Photo by Randy Shropshire/Getty Images for AT&T)

右：ティモシー・シャラメ、左：アーミー・ハマー

『君の名前で僕を呼んで』あらすじ

両親と共に北イタリアの避暑地を訪れ、そこで悠々自適に過ごしていたエリオは父親が自身の研究のアシスタントとして連れて来たオリヴァーと出会います。自信と知性に満ち溢れたオリヴァーに、最初は突き放すような態度を取るものの、やがて彼の内面に深く惹かれていくように。そしてふたりは性別の垣根を超え、ひと夏の恋に落ちます。しかし、夏の間の滞在だったためにオリヴァーが別荘を離れる日が近づき、エリオは彼との耐え難い別れを経験することになります。
本作はそんな短い夏の間の瑞々しい恋模様を描いた、ひりつきと愛おしさを感じる傑作青春映画です。

（C）Frenesy, La Cinefacture （c）2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC.

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原作小説『Call My by Your Name』は、彼らの経験した恋と別れをおよそ300ページ超にわたり書き上げており、その内容は非常に哲学的で深く、印象的なセリフも多数登場します。

映画でも原作の雰囲気を壊さぬよう最大限の注意が払われ、監督であるルカ・グァダニーノが映し取った北イタリアの自然豊かな景色、エリオとオリヴァーの間に漂う空気感の描写、夜の静寂や早朝の美しさなど、美的感覚に訴えかける映像で観客を魅了しました。

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