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「マンガの神様」手塚治虫の代表作の一つ『火の鳥』は、太古の昔から未来までさまざまな時代を舞台にしたいくつもの話から成り立っている作品で、手塚が漫画家としてのキャリアの初期から晩年に至るまで取り組んだ、まさにライフワークと言えるものです。その中から、第1部の『黎明編』を映画化したもので、基本的には実写ですが部分的に特撮やアニメも使われています。
大昔。ヤマタイ国を治める女王ヒミコ(高峰三枝子)は、「血を飲めば不老不死の命を得る」と言われる火の鳥の捕獲に躍起になっていた。祖国を攻めないための交換条件として、ヒミコに献上するため火の鳥を探し回るマツロ国の弓の名手・天弓彦(草刈正雄)。ヒミコの命でクマソの国を攻めた武将・猿田彦(若山富三郎)と、彼に族長である父を殺されながらも命を助けられた少年ナギ(尾美としのり)。ヤマタイのスパイだがナギの姉ヒナク(大原麗子)を真剣に愛し結婚したグズリ(林隆三)。騎馬軍団を率いてマツロを滅ぼしヤマタイに攻め込もうとする高天原族のジンギ(仲代達矢)と、マツロの唯一の生き残りウズメ(由美かおる)…。さまざまな人々の愛憎や国同士の戦い、そして彼らの運命を握る火の鳥の争奪戦が展開する…。
監督は、当時『犬神家の一族』(1976年)などの「金田一耕助シリーズ」を連作していた巨匠・市川崑。そのためか、同シリーズに出演したスターをはじめ、主演クラスの大スターが多数出演しています。市川はもともとアニメーターとして映画界入りしたこともあり、異色の作りであるこの作品も難なくこなしています。原作にあったおふざけギャグまで映像化してしまった部分はちょっと苦笑してしまいますが、独特の凝った映像テクニック、主に熊本・阿蘇の大自然の中で撮影された映像の美しさ、さまざまな登場人物の描き分けなど、市川ならではの作品に仕上がっています。
脚本を執筆したのは、世界的に有名な詩人の谷川俊太郎。実はそれまでも『東京オリンピック』(1965年)の脚本などで市川作品にたびたび関わってきた一方で、テレビアニメ『鉄腕アトム』のあの有名な主題歌を作詞するなど手塚が主宰していた虫プロダクションの作品にも多数関わっていた、市川と手塚の両方と縁が深い人物です。
他にも、衣裳デザインをコシノジュンコ、古代民族音楽を芸能山城組が担当するなど、スタッフも豪華な顔ぶれが揃っていますが、中でもテーマ音楽を『シェルブールの雨傘』、『ロシュフォールの恋人たち』、『華麗なる賭け』、『おもいでの夏』などを手がけたフランスのミッシェル・ルグランが作曲しているのは注目に値します。当時、谷川によって歌詞が付けられ松崎しげるら複数のアーティストによる「イメージソング」にもなりましたが、イントロが約20年後に発表された安室奈美恵の某大ヒット曲の歌い出しの部分のメロディにそっくりだということも、映画音楽ファンの間では話題になりました。
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2021/6/21 更新
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