世界三大映画祭を制したキム・ギドク インタビュー:藤井美菜,チャン・グンソク,オダギリジョー[人間の時間]

■ロシアにいることで得るインスピレーション

　
――国宝級俳優のアン・ソンギさんが、全くセリフがないのが印象的でした。彼が演じる“謎の老人”は、私は“神”なのかと思って見ていたのですが、合っていますでしょうか？
　
◆恐らく、この映画をご覧になった多くの方がそう思うのではないでしょうか。私も、この老人は“神”だという思いで演出していたのですが、“神”とも言えるし、“自然”でもあり、“自然のエネルギー”とも言えると思います。見る人によって、様々な見方ができるかもしれません。
　
　

アン・ソンギ

　
　
――ありがとうございます。では最後に、監督から『人間の時間』のお薦めコメントをお願いします。
　
◆この映画は、これまで生きてきた人類、そして今現在生きている人類、そしてこれから生きていくであろう人類を描いています。残酷でもありますが、とても美しく、そしておぞましくもありますが、とても崇高な映画です。そして、「人間は自然だ」ということを語っている作品です。

――たくさんの人が、この映画を見てくれるように応援します！ 監督は今ロシアにいらっしゃるということですが、何かインスピレーションは湧いていますか？

◆私は、たくさんの国を巡りながら映画を撮るのが夢でしたが、去年はカザフスタンで映画を1本撮りました。その隣の国でも映画を1本撮っていて、今その編集をしています。今はモスクワでシナリオを書いていて、新しい映画を撮る予定で、ここにいることで多くのインスピレーションを得ています！
　
　

　
　
――そうなのですね。次回作も期待しています！ 今日は本当にありがとうございました。

◆ありがとうございました。