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芸術史に残る大不倫。禁じられた情事に燃える二人の結末は…『不実な女と官能詩人』

舞台は19世紀パリ。著名な詩人ジョゼ・マリア・ド・エレディアには3人の娘がいた。エレディア夫妻の悩みの種は娘たちを誰の元に嫁がせるか。順番からして長女が先に結婚させられるだろうと高をくくっていた次女マリーだったが、長女の結婚相手と思っていた貴族出身の詩人アンリと結婚することになる。このことに驚いたのはマリーだけではない。新進気鋭の詩人でアンリの親友であったピエール・ルイスも、予期せぬ展開に衝撃を受けていた。というのもアンリとピエールは約束していたのだ。マリーに惹かれた者同士、抜け駆けはよそうと…。

©CURIOSA FILM

こうしてはじまったマリーとアンリの結婚生活。しかしこの結婚こそが、ピエールへの思いを高ぶらせてしまう。ピエールの女遊びもまた、彼の一番になりたい、特別になりたいという思いを強くしたのだろう。一時の火遊びを禁じられた奔放な処女は、欲するままに生きようとする不実な女へ。二人は密会を重ね肌を重ね合わせるだけでなく、新聞や文通を通じて連絡を取り合い心を絶えず通わせるのだった。淡い水色の壁紙が印象的な部屋に「本当はあなたと結婚したかった」というマリーの言葉が空しく響く。

©CURIOSA FILM

マリーとピエールはたしかに愛し合っていたのだろう。しかし元から身を固めるべきではない二人だったのではないかとも思う。少なくともあの若さで。そんな二人が不倫といういわば終着点のない恋愛関係に身をゆだね、許されることのない内なる欲望の解放の場とする。そしてそれを芸術へ昇華させることで、肉体的快感だけではない知の渇きも満たす。その情熱に満ちた恍惚感は二人にとって何にも代えがたい輝きを放っていた。枯れることのない愛を秘めた二人は関係を続けるため、どんな手段をも厭わない。たとえ常軌を逸した判断であろうとも…

次のページ : 詩的な愛の言葉と対照的に…

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KanaKo

映画・海外ドラマライター 時にインタビューや記者会見といったイベントの取材も...

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