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【「狂人」たちの息もつかせぬ騙し合い!】本日公開★人間ドラマも詰まった映画『毒戦 BELIEVER』レビュー

イントロダクション

本作はジョニー・トー監督の『ドラッグ・ウォー 毒戦』(2014)をベースとなっていますがまったくの別作品なので、オリジナルは未鑑賞という方も十分に楽しめる作品です。(筆者もオリジナルは観ていなかったのですが、まったく問題なく楽しめました!)

キャスト・スタッフ

<キャスト>

チョ・ジヌン

リュ・ジュンヨル

キム・ジュヒョク

チャ・スンウォン

パク・ヘジュン

<スタッフ>

監督:イ・へヨン

脚本:チョン・ソギョン

あらすじ

麻薬取締局刑事・ウォノ。
彼は長年、麻薬ビジネスの摘発に奔走しているが、組織の実態が掴めずにいた。
そんな時、麻薬組織が拠点としている工場で大規模な爆発事故が発生。
その事故現場で、麻薬組織から捨てられたという青年・ラクと出会う。
組織の連絡係であった彼を調査に引き入れたウォノは、ラクとともに麻薬ビジネスの取引現場へと潜入することを決意するが・・・。

見どころ

https://gaga.ne.jp/dokusen/cast/images/cast-modal-1.jpg

徹底したバイオレンスとアクション

本作の見どころはなんといっても徹底した「バイオレンス」感。
ただ単にアクションシーンが多いというだけではなく、作品全体に「狂気」を漂わせています。
麻薬ビジネスがテーマというだけあり、登場人物はクセ者揃い。
何が起こるかわからないスリル感、そして狂人たちの突飛で残虐な行動は、観る者に高い緊張感を与え少しも見逃すことのできない緊迫した空気感を作り出しています。

俳優陣の熱演

見どころとして特筆すべきことの1つに「俳優陣の熱演」があります。
まず、主人公ウォノ刑事役を務めたチョ・ジヌン。
ネタバレとなるので詳細は避けますが、「マトリ」であるウォノが潜入捜査の場で自ら麻薬を「体感」するシーン。
長年麻薬を追ってきた「一本筋が通った」キャラクターであるウォノ刑事が、自分自身で麻薬を体験することで、彼の心身に変化が生じていきます。
麻薬が持つ恐ろしさを感じさせるとともに、人間の二面性を巧みに表現したチョ・ジヌンの熱演がとても印象的です。

次にウォノと手を組む青年・ラクを演じたリュ・ジョンヨル。
ラクは、感情をあまり表に出さず掴みどころのないキャラクターです。
ですが、ウォノたちと捜査を続けていくうちに、少しずつ「人間らしさ」や彼の「バックグラウンド」が垣間見えてきます。
リュ・ジョンヨルの空虚な眼差しとどこか悲しみをたたえた瞳は、飄々とした中に人間としての情を感じさせるラクの人となりを見事に表現しています。

最後まで息つく暇を与えない怒涛の展開

また、本作は「読めそうで読めない展開」も見どころの1つです。
派手なアクションとテンポよく明らかになっていく事実。
一方で、派手な演出や展開の中にも「人間ドラマ」を感じさせる重厚な作りとなっています。
観客はウォノらとともに「イ先生」の正体に迫っていきますが、クライマックスになってもハラハラするシーンが続くので、サスペンスとしてもしっかり見所のある作品です。

考察

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人と人との対峙

派手なアクションやセンセーショナルなテーマが目を引く本作。
ですが強いインパクトだけで終わらず、鑑賞後、心にジワっとこみ上げるものを感じる余韻の残る作品となっています。
その要因として挙げられるのはやはり、主人公ウォノの情に厚いキャラクター。
危険な任務のなかでも、部下の身を気遣い自らが先頭に立って挑もうとするだけでなく、麻薬組織の人間であったラクを信用しただの協力者としてだけでなく一人の人間として接しようとします。
そういった彼の温かな言動は、観客が非現実的とも言える本作に共感する足がかりにもなっています。
そして彼の温かさが、麻薬に狂った者たちの残虐性をより一層際立たせます。

本作で描かれる「二つの信念」

副題の「BELIEVER」にもあるように本作は「信じる」ことがテーマであり、マトリ刑事であるウォノの強い信念が物語の軸となっています。そして刑事としてのプライドや信念ゆえに生まれる犠牲が、彼の信念をさらに強固なものにしていきます。

一方で本作では、ウォノ刑事の信念とは違う「もう一つの信念」も描かれています。
ネタバレになるので詳しい記述は避けますが、その人物もウォノのような強い信念を持っており、自身の中に確固たる大義を持っています。
ですが本作ではその、一種頑なにも思える信念が問題を引き起こしていくことに。
本作は自分自身を過信することや頑なで行き過ぎた信念は、時に人を間違った行動へ駆り立ててしまうという自戒を私たちに与えてくれます。

「肩書き」とは何なのか

麻薬ビジネスのドンで本作における黒幕の「イ先生」。
麻薬ビジネスに手を染める人々は、その姿を見たことはないにも関わらず、みな彼を恐れています。
なかには自らが「イ先生」であると名乗り、その権威を利用しようとする者も。
人々はその実在するかも定かではない「イ先生」の幻にとりつかれていきます。
もちろん、権威ある者にすがろうとすることや肩書きを求めてしまうことも人間誰しもありうることです。
ですがそういった「権威」や「肩書き」の先にあるのは何なのか、知らず知らずのうちに広がっていく「名声」や「評判」にとらわれすぎていないか。
本作は、彼らの姿を通して権威や肩書きに心を支配されることの意味や恐ろしさを私たちに問いかけてくれます。

総評

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センセーショナルな題材と壮絶なアクションが見どころの本作。
それに加え、人としての信念や社会の片隅で生きる人々の姿を映し出した人間ドラマが描かれた味わい深い一作となっています。
少しでも気になった方はぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。

THEATER|映画『毒戦 BELIEVER』公式サイト

毒戦 BELIEVER

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映画『毒戦 BELIEVER』公式サイト

10.4(金)公開『毒戦 BELIEVER』公式(@DOKUSENBELIEVER)さん | Twitter

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わかさ

2019/10/05 10:18

アクション激しいそうなので楽しめそうです。魅力的なウォノも鑑賞して確かめたいです。

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TheRedLipstick

映画好きのWebライター。わかりやすい記事を配信したい! 邦画・洋画問わず観ます♪ ...

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