映画board

Birthday!

永瀬正敏

日本を代表する映画女優・吉永小百合 おすすめ出演映画10選

吉永小百合のおすすめ映画(3)

華の乱(1988年)

深作欣二とタッグを組んだ唯一の作品(80年代以降の深作作品のヒロイン役の大半は松坂慶子が務めた)であり、吉永扮する与謝野晶子を中心にした、明治から大正にかけての芸術や社会運動に関わった実在の人物たちが織り成す群像ドラマになっている。
詩の師だった与謝野寛(=鉄幹)(緒形拳)と結ばれ子宝にも恵まれた晶子(吉永)だが、寛との間に次第に心のすれ違いが生じてくる。そんな時、彼女は作家の有島武郎(松田優作)と出会い、次第に親しくなっていくが…。
風間杜夫、池上季実子、石田えり、そしてゲスト出演的な松坂など、深作作品らしい充実したキャストが揃う。彼らが関わった実際の事件などを織り込みながら、自身も情熱的に生きた晶子の生きざまを吉永は熱演、2度目の日本アカデミー最優秀主演女優賞を獲得した。

長崎ぶらぶら節(2000年)

長崎市に伝わる民謡を題材に、その研究に尽力した実在の芸者の生涯をつづった、作詞家・なかにし礼の小説の映画化。
昭和初期。長崎・丸山遊郭のベテラン芸者・愛八(吉永)は、「長崎学」の基礎を築いた史学者の古賀十二郎(渡哲也)と出会い、一緒に長崎の古い歌を捜し歩く旅に誘われる。さまざまな歌と出会う中で、愛八は幼い頃に歌った「ぶらぶら節」と再会する。そしてその旅の間に、彼女は古賀への想いを募らせていくが…。
愛八と古賀が実際に行なった調査行に、二人の純愛物語の脚色を加えたストーリー。吉永と渡の久々の共演は、奇しくも『愛と死の記録』と同じく純愛もの。おまけに吉永の芸者とくれば『夢千代日記』を連想するが、気風と面倒見がいい愛八は夢千代とはまた違ったタイプだけに、そのギャップも楽しめる。ライバル芸者に高島礼子、妹分の芸者に長崎出身の原田知世、古賀の妻にいしだあゆみ…と、共演者も豪華でユニークなキャスティング。

北の零年(2005年)

吉永が北海道開拓の苦難の歴史の中でたくましく生きる女性を熱演した作品だが、当時としては異色の組み合わせによる企画が偶然の積み重ねで実現した奇跡的な映画でもある。
明治初期、淡路島の稲田家とその家臣の人々は、ある事件の処分として明治政府から北海道への移住を命じられた。志乃(吉永)もその一人で、先遣隊の一員だった夫の英明(渡辺謙)と再会、厳しい自然の中で周囲の人々と一丸となって開拓に励んだ。だが、歴史の大きな波は彼らにさらに過酷な運命を用意していた…。
北海道開拓の歴史の映画の企画を用意していた東映の打診を受けた吉永も、同じ題材の作品に出演したいという願望を持っていたことから、企画が一気に進行。さらに、監督の希望を訊かれた吉永が『GO』(2001年)などでその才能に感心していた行定勲を指名、行定も吉永からの指名と聞いて即座に引き受けた(ちなみにこの時点で、行定の大ブレイクのきっかけとなった『世界の中心で、愛をさけぶ』はまだ撮影すら行なわれていなかった)。強い意欲を持って撮影に臨んだだけあって、吉永は厳しい撮影にも耐えて開拓者の戦いと家族愛の物語を見事に演じ切った。
この後東映は、『北のカナリアたち』(2012年)に『北の桜守』(2018年)と、監督はそれぞれ違うもののすべて吉永主演、脚本=那須真知子による北海道を舞台にした映画を製作、本作と併せて「北の三部作」と呼ばれている(ただし、内容的には無関係)。

母べえ(2008年)

松竹の重鎮・山田洋次との久々のタッグは『男はつらいよ 寅次郎恋やつれ』(1974年)以来実に34年ぶり。黒澤明作品のスクリプターとして有名な野上照代が自身の少女時代の実体験に基づいてつづったエッセイの映画化。
日中戦争が激化していた1940年、ドイツ文学者の野上滋(坂東三津五郎)が思想犯として逮捕・投獄される。残された妻・佳代(吉永)は二人の娘(志田未来、佐藤未来)を育てながら、滋が戻ってくることを信じて懸命に生き続ける。当時の世情から一家への風当たりは強かったが、滋の教え子だった山崎(浅野忠信)ら温かく接してくれる人たちもいた。だが、太平洋戦争の勃発と共に、野上家の人々はさらなる試練に見舞われる…。
暗い世相を背景にした重い物語ではあるが、そんな時代の中でも希望を持って生き抜いた家族の姿は希望に満ちている。その中心となる「母(かあ)べえ」=佳代のバイタリティあふれる生きざまを吉永が熱演。人間味あふれる浅野忠信、個性が強過ぎるがどこか憎めない叔父の笑福亭鶴瓶、いつもの気弱キャラとは正反対の冷酷な刑事役の笹野高史ら、助演や脇役陣も充実しているのは、さすが山田作品。
吉永は本作の後も、『おとうと』(2010年)に『母と暮せば』(2015年)と山田作品のヒロインを演じ続けることになる。

公開を間近に控えた最新作『最高の人生の見つけ方』でも、従来の役柄に囚われない挑戦を続けている吉永。「映画女優」にこだわり続ける姿勢は、これからも映画ファンを魅了し続けるだろう。

Netflix で見られるおすすめの冒険映画 5選|今こそ、“冒険”しよう。

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

投稿がありません。

この記事の画像  2枚

Writer info

上妻 祥浩

熊本県出身・在住。地元の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で新作映画の解説の仕事を行な...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

ますかた一真の映画 星占い - 今週の運勢

Review最新のレビュー

Comment記事へのコメント

Ranking動員数ランキング

2020/7/13 更新

映画動員数ランキングへ

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

あなたの好きな映画の見かたは?

あなたの好きな映画の見かたは?
絶対、字幕版
どちらかというと字幕版
どちらも観る
どちらかというと吹替版
絶対、吹替版
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

Presentプレゼント

ご応募はこちら

Popular Tags人気のタグ

かわいい おすすめ映画まとめ ランキング アニメ 洋画 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 編集部選(おすすめ映画特集) きみに読む物語 ミステリー・サスペンス マーベル

Pick Upピックアップ