映画board

日本を代表する映画女優・吉永小百合 おすすめ出演映画10選

吉永小百合のおすすめ映画(2)

愛と死をみつめて(1964年)

アメリカ映画『ある愛の詩』(1970年)や、『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)などここ15年ほどの日本の若者向け映画でも多く見られる「難病純愛映画」の先駆け的な作品。
浪人生のマコこと誠(浜田光夫)は、入院先の病院で顔に軟骨肉腫ができた高校生のミコこと道子(吉永)と出会い、意気投合する。その後、東京の大学に合格したマコはミコと文通して彼女を励まし、ミコもその文通を心の支えにして懸命に闘病し、希望の大学に合格する。だが、病魔はさらにミコの体を蝕み続けていた…。
後にジャーナリストになる河野實が、自身たちが3年間にわたって行なった文通を書籍化したものを映画化。浜田とのコンビ作の中でも代表的な作品。
清純派スターだった当時の吉永にはまさにうってつけの題材であり、実際ここでの吉永は、可愛らしさと美しさが同居し、それが難病に侵されたヒロインの青春の儚さを際立たせている。
本作の後、吉永は再び難病純愛もの『愛と死の記録』(1966年4)に出演。ここでは男性の方が難病の患者であり、渡哲也との初共演となった。また、先に触れたように、ここでの難病が原爆症であったことが、後の吉永の活動に大きな影響を与える一因となった。

天国の駅 HEAVEN STATION(1984年)

自身が結婚した1970年代半ばぐらいから、吉永はそれまでの清純派と正反対の役も積極的に演じるようになった。中でも実際に起こった事件を基にしたこの作品は、戦後初めて死刑を執行された女性囚人をモデルにしていて、現在に至るまで吉永が唯一演じた汚れ役である。
昭和30(1955)年、茨城県・結城。かよ(吉永)は日頃から傷痍軍人の夫(中村嘉葎雄)につらくあたられていた。親切にしてくれていた巡査の橋本(三浦友和)と不倫関係になったことを知り逆上した夫を毒殺するが、病死として処理された。やがて、警察を辞めて東京の大学に通っていた橋本が、偽の夫婦になって世間の目をごまかすためと称して幸子(真行寺君枝)を連れて帰る。だが、共に橋本に騙されていたと知ったかよと幸子は橋本に手切れ金を渡し、不思議な連帯感で結ばれた二人はとある温泉町にたどり着いて、それぞれ働き始める。以前からかよを慕っていた知的障害者の一雄(西田敏行)もやってくる。かよは温泉旅館の主人・福見(津川雅彦)の寵愛を受けるが、それがさらなる惨劇の連鎖の始まりだった…。
吉永の人気を再燃させたドラマ『夢千代日記』が完結した直後の公開であり、脚本も同作を担当した早坂暁のオリジナルシナリオ(実際の事件をかなり脚色している)、おまけに途中から同じく温泉地が舞台に…と共通点が多いが、殺人を犯し、男を誘惑し…と思い切った飛躍を遂げた吉永の熱演は絶賛され、多くの映画賞を獲得した。また、長らく歌手活動をやめていたが本作の主題歌を歌い久々にレコードリリースが実現した。
正反対のイメージの吉永が“毒婦”を演じることで、ヒロインの人間性や悲しみが観客の胸を打つ結果になった。これもある意味、吉永でなければ成り立たない映画だった。

おはん(1984年)

前年の『細雪』(1983年)で主人公の4姉妹の三女役で初めて組んだ巨匠・市川崑が、初めて自作のヒロインに吉永を起用した作品。
古物商を営む幸吉(石坂浩二)は、妻・おはん(吉永)がいながら芸者・おかよ(大原麗子)と深い仲になる。それを知ったおはんは身を引き、実家に帰ってしまう。7年後、偶然おはんと再会した幸吉は、自分に息子がいることを知る…。
一途な中にしたたかさも併せ持つおはんを熱演した吉永は、同年の『天国の駅』と併せて多くの映画賞を獲得。情熱的なおかよを演じた大原との対比、そこに加えてどうにも甲斐性のない幸吉(同じ市川作品でも、おなじみの金田一耕助を変な方向にアレンジしたような石坂の好演)とのアンサンブル。これもまた市川の得意とするジャンルであり、その期待に見事に応えた吉永は、この作品の後も、伝説の大女優・田中絹代の半生を描いた『映画女優』(1987年)に、有名な民話『鶴の恩返し』をモチーフにした『つる-鶴-』(1988年)と、市川作品に立て続けに主演することになる。

夢千代日記(1985年)

1981年から84年の間に3作が放送され、吉永が再び広い層に愛されるきっかけになったNHKの人気ドラマの劇場版であり、テレビシリーズの続編、そして完結編である。
山陰の温泉町の芸者・夢千代(吉永)は母親の胎内で被爆、神戸の両院で余命半年と診断された。その帰りの列車の中で、彼女は一人の女が谷底へと落ちていくのを目撃する。警察は女性が突き落とされたと判断、駆け落ち相手が逮捕された。だが、夢千代には自殺としか思えなかった…。
樹木希林演じる菊奴をはじめ芸者仲間との交流、町を訪れるワケありの人々の人間模様など、テレビ版の作りを引き継ぎつつ、最初のテレビシリーズで余命3年と宣告された夢千代の物語の幕引きが行なわれた。それがテレビではなく映画だったのは吉永の熱望だったと言われていて、彼女の映画女優としてのこだわりが垣間見える。さらに本作は、彼女の出世作『キューポラのある街』の監督でもある浦山桐郎との久々のタッグとなった。ラスト近くの夢千代のセリフをめぐって二人が唯一の衝突をしたとされているが、残念ながら本作が浦山の遺作となってしまった。ただ、吉永のさまざまなこだわりを活かしたストーリーと演出が施され、「夢千代ファイナル」にふさわしい作品に仕上がっている。

英語の勉強におすすめ!Amazonプライムビデオ オリジナルアニメ5選
次のページ : 吉永小百合のおすすめ映画(3)

Commentコメント

コメントしてポイントGET!

投稿がありません。

この記事の画像  2枚

Writer info

上妻 祥浩

熊本県出身・在住。地元の新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等で新作映画の解説の仕事を行な...

more

Recommend関連記事

この記事について報告する

ますかた一真の映画 星占い - 今週の運勢

Review最新のレビュー

Comment記事へのコメント

Ranking動員数ランキング

2020/7/13 更新

映画動員数ランキングへ

Popular人気記事&コンテンツ

Weekly Vote今週の対決

投票する

Pollアンケート

好きな映画のジャンルは?

好きな映画のジャンルは?
SF
アクション
クライムサスペンス
コメディ
青春
ドキュメンタリー
ヒューマンドラマ
ファンタジー
ホラー
ミステリー
ミュージカル
ラブロマンス
戦争
歴史
アンケートに答える

Official SNS公式SNS

PR Storyいま読みたい記事

Presentプレゼント

ご応募はこちら

Popular Tags人気のタグ

かわいい おすすめ映画まとめ ランキング アニメ 洋画 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー 編集部選(おすすめ映画特集) きみに読む物語 ミステリー・サスペンス マーベル

Pick Upピックアップ