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青山晴香

4月26日から拡大公開!伝説のサイコ・サスペンス『ザ・バニシング~消失~』

ザ・バニシング 消失

原題 :SPOORLOOS

2019年4月12日より全国にて公開

1988年/オランダ=フランス/106分

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あらすじ

7月、オランダからフランスへと車で小旅行に出掛けていたレックスとサスキア。立ち寄ったドライブインで、サスキアは忽然と姿を消してしまう。必死に彼女を捜すも手掛かりは得られず、3年の歳月が経過。依然として捜索を続けるレックスの元へ、犯人らしき人物からの手紙が何通も届き始め…。

出典元:http://www.thevanishing-movie.com/

愛する女性が忽然と消える。

それはノワールやサスペンスでは王道だ。最近だと『バーニング』や『アンダー・ザ・シルバーレイク』がまさに女性が消えて男が探る話だった。この手の映画は心底恐ろしい傑作が多い。

ただ、この『ザ・バニシング -消失-』は何か毛色が違う。

バーニング 劇場版

原題 :버닝

2019年2月1日より全国にて公開

2018年/韓国/148分

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アンダー・ザ・シルバーレイク

原題 :UNDER THE SILVER LAKE

2018年10月13日より全国にて公開

2018年/アメリカ/140分

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この作品の特異な点は情報の出し方と観客の興味を引くポイントを巧みに誘導している点だ。色んな謎が出てくる迷宮的なミステリーとは違う。

まず最初にフランスにやってきたカップル、レックスとサスキアが描かれる。

サスキアは「金の卵に閉じ込められてしまうが、もう一つの卵がぶつかった瞬間すべてが終わった」という奇妙な夢のことを話す。この夢は後にこの2人に訪れる恐ろしい出来事を予感させるものになっている。

2人の車はとあるトンネル内でガス欠を起こす。

恐がるサスキアを置いてガソリンを取りにトンネルを歩いていくレイモン。

戻ってくると車内にサスキアがいないが、運転してトンネルを出るとそこに彼女は立っていた。


このトンネルのシーンで「先の見えない暗闇でも前に進めば彼女を見つけられる」と映画的に観客に無意識刷り込んでいるのが巧みだ。しかし実際のストーリーは逆で、その後ドライブインで彼女が失踪してからは、その探すというレックスの気持ちがどんどんと事態を恐ろしい方向に引っ張っていく。


そしてサスキアが消えてからすぐに犯人が誰なのかは明らかになる。なぜなら時制が少し戻って犯人側の物語が始まるからだ。

この映画は犯人を探るのが主題ではない。
レイモンという名の犯人は家族を持っているが、山荘を買い取ってその周辺であるシミュレーションをしていた。

それはいかに女性を手際よく誘拐するかという計画。そんなことを企んでいる理由はまた後ほど明かされるが、とにかく彼はそのために日々準備や練習をしていたのだ。

自分でクロロホルムを吸って何分意識を失うか試したり、山荘でわざと家族を叫ばせて周囲にどれだけ音が聞こえるか確認したり、車に女性を乗せてからクロロホルムを布にしみこませて口に当てるまでの手順を延々と練習したりしている。

それだけ聞くと恐ろしいのだが、本作が奇妙なのはそんな彼がだんだんと滑稽かつチャーミングにも見えてくるところだ。

表面上は良き家庭人のレイモン


彼は誘拐できれば誰でもいいらしく、何度も女性を車に乗せようと試すがことごとく失敗する。あまりにも失敗し続けるのでちょっと面白くなってくる。

しかし試行錯誤を繰り返して、家から離れた場所がいいと気づいて、サスキアが失踪したドライブインにレイモンがやってくるのを見てまたゾッとさせられる。

この偶然の積み重ねがサスキアたちとレイモンを引き合わせたのだと。

そう思うと劇中の総ての要素がその悲劇に向けての伏線に見えてくる。恐ろしい運命のいたずらが起きてしまった。

特にレイモンの娘たちが彼に誕生日プレゼントで渡すものに注目してほしい。

この団らんシーンに恐ろしい伏線が・・・

そして3年経ってとにかく真相だけは知りたいと思うレックスの元にレイモンが現れ、自分と一緒にもう一度フランスまで来ることを条件に何があったのかを語りだす後半もスリリングだ。

犯行の動機、サスキアが選ばれてしまった理由も恐ろしいが段々と謎は剥ぎ取られ、残るは「さらわれたサスキアがどうなってしまったのか」という疑問だけになる。

観客もレックスもそれだけを知りたくてしょうがなくなるが、もうこの時点で犯人とそして監督の術中にはまっている。


そしてこの真相を知りたいという気持ち、それを逆手にとった恐ろしい罠が最後に待ち構えている。それは劇場で確認してほしいが、
好奇心がそのまま破滅につながっているというどんでん返しと絶望が同時に訪れる見事且つ恐ろしく意地悪なエンディングこそが本作が伝説化している理由ではないだろうか。


ぜひ見る前からそのオチとはなんなのか考えながら本作に臨んでみて欲しい。それでも絶対に予想がつかないしショックを受けることは間違いない。

真相を語る犯人とのドライブ。その先に待っている罠とは・・・

映画『ザ・バニシング -消失-』オフィシャルサイト

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whitestonetaichi

映画大好き会社員。副業でいくつか媒体に記事書いてます。 2018年ベストはアンダーザ...

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