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映画『深海のサバイバル!』“東大卒クイズ王”伊沢拓司さんがJAMSTEC高井研さんにインタビュー!

映画『深海のサバイバル!』

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

深海調査のため、潜水艇アンモナイト号に乗り込んだジオ、ピピ、コン博士。水深数千メートルの深海を目指す途中、メタンガスの泡に巻き込まれアンモナイト号が故障し、海上のケイと連絡が取れなくなってしまいます。さらに巨大なダイオウイカとマッコウクジラが襲い掛かり、ジオがはぐれてしまい、ピピとコン博士が救出に向かうのですが、アンモナイト号のエネルギーは残りわずか。いっぽうジオは、真っ暗な海底で深海生物に取り囲まれてしまうなど、ハプニングの連続。はたして極限状態の深海から無事に戻ることができるのでしょうか?

原作は「科学漫画サバイバル」シリーズ

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

2008年から朝日新聞出版より75巻が刊行され(2021年8月現在)、国内累計発行部数1,100万部を突破した子どもたちに大人気のシリーズ。次々と襲いかかってくるピンチに、子どもたちが勇気と知恵で立ち向かっていくストーリーで、生き物、自然、人体、災害、環境問題、AI、宇宙など、科学に関するあらゆるテーマを扱っています。手に汗にぎる冒険ストーリーを読み進めるうちに、自然と科学や理科の知識が身につく学習漫画として小学生を熱狂させています。2020年には『人体のサバイバル!』が公開。そして2021年、映画化第二弾として、原作シリーズの中で最も累計発行部数が多い「深海のサバイバル」が、待望の映画化です!

冒頭に注目の研究対象が登場しビックリ

伊沢さんが高井さんにインタビュー!

伊沢◆先生から見て、映画での深海の描写はいかがでしたか?
高井◆冒頭で深海に潜航した主人公たちが塩水湖を発見するシーンが登場します。私を含めた世界の深海研究者が狙っている最新の研究対象がいきなり出てきて、「科学漫画サバイバル」シリーズの着眼点に驚きました。
伊沢◆そんなすごいシーンだったとは、今、お話を伺って、私自身も驚きました。映画のお気に入りシーンを教えてください。
高井◆博士が深海に取り残されるシーンには心が動かされました。「ここで死んでも本望だ」と諦めてしまう博士に向かってジオが「諦めないで! もっと深海の楽しさを教えて!」と鼓舞する場面にジーンとしました。博士のおかげで深海の楽しさを知ったこと、そしてまだまだ教えてほしいという熱い気持ちが、シンプルに伝わってきて“ベタだな”と思いながらも、涙が出そうになりました(笑)
伊沢◆ご自分と重ねて余計に心が動いたのでしょうか?
高井◆そうですね。自分が好きでやっている研究で、自分のためにやっているところはありますが、やっぱり、研究を通して少しでもみんなに深海に興味をもってもらいたいという気持ちもあるので、ストレートに響きました。

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

深海の魅力は「自分のちっぽけさを知る快感」

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

伊沢◆ずばり、深海の魅力とは?
高井◆ちっぽけな人間一人では征服できない未知の世界なので、死ぬまで楽しませてもらえることは間違いありません。私自身、地球のことは理解したから宇宙に行くなんてことを言ってますが、そんなのは嘘です(笑)。ひとつひとつの事象については、今後も想像を超えるリアル(現実)に出会うはずなんです。永遠に研究していられるくらい解明されていないことがたくさんあるところがとても魅力的です。深海の研究には、自分のちっぽけさを知る快感があります。やればやるだけ分かるというシンプルなところも好きですし、やっぱりなんといっても楽しいというのがいちばんの魅力かもしれません。誰も行ったことのない場所に行くのがたのしい、それに尽きます。
伊沢◆見えていなかったことが見えるとうれしいし、ワクワクします。
高井◆人は見ているようで見ていないですから。
伊沢◆同じ景色を見ていても、知っている人と知らない人とでは違う景色が見えていたりします。
高井◆そこです! そこが科学のいちばんのおもしろさです。みんなに深海に行って見てもらうわけにはいかないですが、身近な海でも生物のすごさ、深さを知ることもできます。

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

伊沢◆近くの海で、何を見ればいいのでしょうか?
高井◆岩場に行って潮だまりで磯採集をするのがおすすめです。私のようにいろんな生物を知っている人間と一緒に行くと、見える世界が変わっています。見えないものが見えてくるんです。深海の楽しさが凝縮されているおすすめスポットです。
伊沢◆生物の研究を専門としている先生と一緒だったら、楽しさも格段に違いそうです。私も先日、潮だまりでウニ取りをしました。それだけでもすごく楽しかったです。
高井◆潮だまりには生物の宇宙があるので、ぜひ、注目してください。

映画のようなハプニングは実際にある?

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

伊沢◆映画に登場した潜水艇のハプニングは、実際の探索でも起こるのですか?
高井◆JAMSTECの潜水艇はどんなことがあっても絶対もどってくる、安全性はほぼ100パーセントで保証されています。とはいえ、30年も海に潜っていると、映画のようなハプニングに近いことは何度か経験しています。人が乗っている潜水艇では絶対の安全性があるのですが、人が乗っていない無人探査機ではケーブルが切れるなどのハプニングはあります。

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

伊沢◆深海の調査中は、海中で生活するのですか?
高井◆滞在時間は8時間程度です。
伊沢◆8時間、小さな潜水艇で過ごすうえで、大変なことはなんでしょうか?
高井◆大人3人が小さな潜水艇に乗り込んでいるので、狭いことが一番大変です。あとはチームのメンバーも重要だったりします。
伊沢◆それは大事ですね。事前に地上でチームビルディングをするのでしょうか。
高井◆パイロットも研究者も互いによく知っている場合が多いです。初期の頃は、互いに慣れていないパイロットと研究者が同乗して船内で喧嘩することもありました。
伊沢◆狭いうえに、喧嘩してしまったらムードが悪くなりそうね。でも、それは、最先端のミッションを背負っているからこその衝突ではないでしょうか。
高井◆その通りです。いろんなことを知りたくて研究したくてたまらない研究者と、安全性を第一に考えるパイロット、それぞれが自分のミッションを遂行する上での衝突です。
伊沢◆映画にも似たようなシーンが登場します。
高井◆子どもたちの無鉄砲さはすごくいいことです。あれこそ、研究者の姿です!

©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

<作品紹介>

『深海のサバイバル!』
公開中
同時上映:『映画おしりたんてい スフーレ島のひみつ』
原作:「科学漫画サバイバル」シリーズ(朝日新聞出版)
監督:入好さとる
脚本:村山功
監修:JAMSTEC (国立研究開発法人海洋研究開発機構)
制作:東映アニメーション ぎゃろっぷ
キャスト:松田颯水 潘めぐみ 石田彰 山口勝平 岩崎ひろし 東地宏樹 / 伊沢拓
配給:東映
©Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版 ©2021東映まんがまつり製作委員会

<プロフィール>

伊沢拓司 / クイズプレーヤー、(株)QuizKnock CEO
1994年生まれ。東京大学経済学部卒。高校時代に「全国高等学校クイズ選手権」で史上初の個人2連覇を達成。2016年、東京大学在学中にwebメディア「QuizKnock」を立ち上げ編集長を務める。テレビ番組に出演するほか、登録者170万人を越える同YouTubeチャンネルの企画・出演も行う。

高井研 / 地球生物学者
国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)超先鋭研究開発部門 部門長。1997年、京都大学大学院農学研究科水産学専攻博士課程修了。同年より海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究者となり、深海熱水における微生物研究の第一人者として生命の起源に迫る研究を続けている。著書に「生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る」(岩波書店)など。

JAMSTEC | 海洋研究開発機構 | ジャムステック

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