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燃ゆる女の肖像

燃ゆる女の肖像

原題:PORTRAIT DE LA JEUNE FILLE EN FEU

2020年12月4日より公開

2019年/フランス/122分

あらすじ

18世紀、フランス。画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)はブルターニュのある貴婦人から、娘のエロイーズ(アデル・エネル)の見合いのための肖像画を描くよう依頼される。マリアンヌは結婚を拒むエロイーズに身の上を隠して彼女に近づき、孤島の屋敷で密かに肖像画を描きあげるが、真実を知ったエロイーズは絵の出来を否定。描き直すことを決めたマリアンヌに、モデルになると申し出...

18世紀、フランス。画家のマリアンヌ(ノエミ・メルラン)はブルターニュのある貴婦人から、娘のエロイーズ(アデル・エネル)の見合いのための肖像画を描くよう依頼される。マリアンヌは結婚を拒むエロイーズに身の上を隠して彼女に近づき、孤島の屋敷で密かに肖像画を描きあげるが、真実を知ったエロイーズは絵の出来を否定。描き直すことを決めたマリアンヌに、モデルになると申し出るエロイーズ。キャンバスを挟み見つめ合い、島を散策し、語り合ううちに、二人は恋に落ちていった。約束の5日後、あと一筆で肖像画が完成するところまでくるが、それは別れの時を意味するものだった……。

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デイビー・バラード

2020/12/23 15:08

計算し尽くされたシンプルさが貫く傑作

余計なものを削ぎ落とし、計算され尽くしたシンプルな美が全編を貫く傑作。 世紀フランス、女性画家マリアンヌと上流階級の娘エロイーズとの間に燃え上がる愛。しかし女性同士の恋愛が社会的に認められず、そうした概念さえもまだ生まれてないような時代の下で、当人らもこれが続くことはないと分かっている。だからこそ切ないのだが、その愛は力強く確かなもの。まさに純愛。 本作には映画音楽は存在しない。シーンはほぼすべてがその場の音と台詞のみで成り立っており、例外となるのは3箇所のみ。台詞も最小限なので、聞こえる音といえば暖炉で薪が燃えて弾ける音や、ドレスの布が擦り合う音、キャンバスに置かれる絵の具や鉛筆の音、波や風や雨などの自然音などである。静寂の中で聞こえてくるそうした音が物語世界を構築しており、本作を映画館で観ることの至福のひとつとなっている。 加えて撮影においても、過度な照明やカメラワークなどの演出が抑えられている。真っ暗な屋敷の中で、登場人物が持ち歩く蝋燭はすべてを照らすことはないし、それに対して昼間窓から部屋に注ぐ光は眩しいほど明るい。明暗の光の中で浮かび上がる人物の肌が美しく、絵画のようである。 マリアンヌが肖像画を描く制作過程が、細かく描写されているのも興味深い。鉛筆で輪郭を整えた後は、形を描くのではなく、一筆ずつ絵の具を置くことでまさに光を描いていくような作業になる。塗るという感じではなく、見える光に合わせて色を置いていくというのが、あまり絵画に詳しくない自分にとっては新鮮だった。 それにしても世紀当時、女性画家が本作のように活躍していたとは知らなかった。マリアンヌというキャラクター自体は創作だが、実際にこの時代に女性画家は存在したとのこと。劇中でも言及されたように描く対象に決まりがあったり、女性の名前で出展できないなどの制限はあったようだが、感性を活かして男性社会に進出する先進的な女性たちが確かにいたのだ。 ノエミ・メルランの気高く、独立した女性像がキャラクターに説得力を増している。アデル・エネルは出演作品を観るのが3作目になるのだが、これまで以上に繊細な演技を見せておりこれが代表作と言っていいだろう。 映画芸術を極めた、今年度最高傑作。

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Reviewこの作品のレビュー

デイビー・バラード

2020/12/23 15:08

計算し尽くされたシンプルさが貫く傑作

5

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