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すずらん 少女萌の物語

あらすじ

大正12年。北海道留萌線明日萌駅駅長・常盤次郎は、待合室に置き去りにされていた赤ん坊に萌と名付け、彼女を1年前に他界した妻の生まれ変わりと信じ育てた。それから11年、昭和10年の冬。12歳になった萌は、雪に埋まって鉄道事故に巻き込まれそうになったところを秀次という青年に助けられる。だが、彼は父親殺しで指名手配中の身の上だった。命の恩人である秀次に憧れを抱く萌...

大正12年。北海道留萌線明日萌駅駅長・常盤次郎は、待合室に置き去りにされていた赤ん坊に萌と名付け、彼女を1年前に他界した妻の生まれ変わりと信じ育てた。それから11年、昭和10年の冬。12歳になった萌は、雪に埋まって鉄道事故に巻き込まれそうになったところを秀次という青年に助けられる。だが、彼は父親殺しで指名手配中の身の上だった。命の恩人である秀次に憧れを抱く萌は、彼がそんな人間だとは信じられない。そこで次郎に懇願し、彼を留萌の鰊番屋へ逃がしてもらう。ところで、次郎にはある悩みがあった。それは、2年前、萌に一目会いたいと言いながら、約束の日に彼女を駅の待合室に待たせたまま、結局姿を見せなかった母親・川本フキが、再び明日萌の近くに姿を現したこと。勿論、次郎は萌を二度も捨てたフキに会わせるつもりなど微塵もなかったが、その実、萌を彼女に取られてしまうのではという不安に駆られていた。だが、その相談を中村旅館の夫婦にしているのを、萌がこっそり聞いてしまう。募る母親への思いと育ての父への義理に、小さな胸を痛める萌。それから暫くして、彼女は中村旅館の一人息子・竹次郎と秀次の忘れ物を届けに鰊番屋へと出かけた。ところがその帰り際、萌は壁に掲げてある名札に母の名前を見つける。竹次郎の計らいで、番屋の手伝いをしながらフキの帰りを待つことになる萌。しかし、フキは既に番屋を離れた後だった。次々に船を出していく番屋の男衆。ところが、急に海が時化て漁は中止。綱を切らなければならない事態に、秀次がその役目を買って出たお陰で被害を最小限に食い止められるも、彼は命を落としてしまう。さて、迎えに来た次郎に連れられ明日萌に帰ることになった萌。その途中、彼女は川の対岸に母の姿を見る。それは、言葉も交わすことのない、ほんの束の間の再会であった。その後、萌は次郎とふたり、行燈祭りに賑わう明日萌の町に帰っていく。

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